2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K14457
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鍋島 朋之 京都大学, 農学研究科, 助教 (10801920)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | キク / ウイロイド / キク矮化ウイロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではキク矮化ウイロイド(CSVd)感受性品種であるキク‘ピアト’にCSVdを接種し,その後の感染配列の変化を調査していく.単系統のCSVdを接種するために接種源としてin vitro転写したRNAを用いる予定であり,まずはこのRNAを用いた効率的な接種系を確認した.濃度調整したウイロイドRNAを,ペンチあるいはカーボランダムと綿棒を用いた機械的接種に用いたところ,ペンチを用いた時に良好な感染率(92%)を得た.次に,感染配列から変異系統を抽出する手法を検討した.接種1か月後に感染株の上位葉からRNAを抽出し,サンプル中のCSVd配列をRT-PCRによって増幅・クローニングした.クローニングした配列をGCクランプを付加したプライマーを用いたPCRによって増幅し,温度勾配ゲル電気泳動システムを用いたヘテロデュープレックス解析により感染配列を調査した.この結果,調査した32クローンの中から,接種に用いた配列とは異なるバンドパターンを示す増幅産物を4種得た.これらの配列をサンガーシーケンスにより確認すると,それぞれ接種に用いた配列とは1あるいは2塩基の相違を持つCSVd配列であることがわかり,本手法によりCSVdの変異系統を1塩基レベルでスクリーニングできることを確認した.なお,2019年度春に研究代表者の所属機関異動があったが,実験に用いる‘ピアト’CSVdフリー株はin vitro培養にて継代し,無事に移動した.現在はin vitroにおいて増殖を進めているところであり,2019年度夏季から圃場に定植できる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では多くの植物体サンプルを用いてCSVd配列を調査する予定である.本年度は,このために必要な接種系とCSVd配列の解析方法を確立できた.当初予定通り,圃場におけるCSVd多様性の年次変化を調査していくための準備が整った.
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りキクを温室内で栽培し,植物体のサンプリングとCSVd配列の調査を実施していく.
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