2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the mechanisms of black band disease outbreak focusing on the difference in infection rate among coral species
Project/Area Number |
18K14479
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 俊幸 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (00814526)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サンゴ / トランスクリプトーム解析 / Vibrio coralliilyticus / 自然免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、サンゴ種間でのBBD感染率の比較と細菌叢解析に用いるサンプル採集を継続して行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響によりサンプリングポイントである沖縄県瀬底島への出張が困難であった。そこで、昨年度に実施した病原菌Vibrio coralliilyticus培養株(以下「VC」と称する)を用いたコユビミドリイシに対する感染実験とそのトランスクリプトーム解析を継続して行った。BBDは複雑な細菌叢によって構成されるサンゴの感染症である。一方、VCを用いたよりシンプルな感染実験の結果をトランスクリプトームにより解析することで、サンゴ自然免疫機構を詳細に明らかにすることができる。さらに、VCはBBD細菌叢を構成する細菌の一つであることが報告されており、本菌が生産するプロテアーゼがBBDを進行促進する可能性が示唆されている(Astsker et al. FEMS Microbiol Ecol, 2009)。 非感染コントロールとVC感染サンプルの比較トランスクリプトーム解析を行った。VC感染初期(感染後5~180分)の遺伝子発現変動を経時的に観察することで、サンゴのVCに対する初期免疫応答を明らかにした。VC感染5分後、30分後、60分後、180分後の各条件において発現変動した遺伝子を抽出した。感染30分後においては1960遺伝子、60分後においては2061遺伝子の発現変動を確認した。一方で、感染5分後および180分後においては、遺伝子発現の変動がほとんど確認されなかった(5分後は69遺伝子のみ、180分後は1遺伝子のみ)。 次に発現変動遺伝子数が1000を超えていたVC感染30分後、60分後において、サンゴがVC感染に対してどのような遺伝子発現応答をしていたかを生物学的に解釈するために、機能解析ウェブツールDAVIDを用いたGOエンリッチメント解析を行った。
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Research Products
(1 results)