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2018 Fiscal Year Research-status Report

Identification of genes and their functions involved in post-zygotic hybrid inviability in Japanese flowering cherries

Research Project

Project/Area Number 18K14489
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

鶴田 燃海  東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 特任研究員 (90809740)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords雑種不和合性 / 連鎖解析 / 詳細マッピング / 候補遺伝子 / ALOG domain / サクラ属
Outline of Annual Research Achievements

染井吉野(Cerasus x yedoensis 'Somei-yoshino')とエドヒガン(C. spachiana)との交雑家系の実生で見られた生育不全(雑種不和合性遺伝子座:HIs-1)に関与する遺伝子を明らかにすることを目的に、初年度は連鎖地図を用いて候補遺伝子の探索を行った。これまでに準備した交雑実生、5家系534個体(健全実生: 264, 生育不全: 270)のDNAを用い、連鎖解析を行った。HIs-1は、染井吉野の連鎖地図における第4連鎖群のEMPaS13およびUCD-CH13の2つのマーカー間(3.8cM)に位置した。もっとも近傍のマーカーはEMPaS13(0.7cM)であった。
次に、HIs-1の領域をさらに詳細に決定するため、既報のサクラ属のゲノム情報を利用した。サクラ属と近縁なモモ(Prunus persica)のゲノムにおいて、EMPaS13からおよそ1Mbの塩基配列を取得し、この領域におよそ30-50Kb間隔で10個の遺伝マーカーを新たに設計した。このゲノム配列を基にしたマーカーを用いて実生の遺伝子型を決定し、生育不全との関連を解析した。最終的に、HIs-1の候補領域をPp04C001とPp04C007のマーカー間にまで狭めることができた。この領域は、モモのゲノムではおよそ240Kbに相当する。また2つのマーカー間には、モモのゲノムで45個、同じサクラ属のオウトウ(Prunus avium)ゲノムでは85個の遺伝子が、それぞれ推定されている。この中に、実生の成長と関連する可能性のある遺伝子、胚軸の成長に関与するALOG遺伝子(LSH10-like gene)が見つかった。現在、このALOG遺伝子をHIs-1の最有力候補遺伝子として、サクラ属野生種および交雑家系の実生において塩基配列の解読および発現解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2018年はサクラの開花が早く、当初予定していた染井吉野とエドヒガンの人工交配を次年度へと持ち越したが、代わりに進めた詳細マッピングによる候補遺伝子の探索は、概ね順調に成果をだすことができた。実生の生育と関連が予想される有力な候補遺伝子を見つけることができ、またその塩基配列をサクラ属野生種および交雑実生において明らかにした。また予備実験をかね、サクラ属野生種の実生において、候補遺伝子の発現解析を進めた。
2019年の3月から4月にかけ交配を行ったので、今後はRNAの発現解析を進める。また2019年に入り染井吉野のゲノム配列が報告されたこともあり、ゲノム解析の環境も整いつつある。

Strategy for Future Research Activity

今年の3月から4月にかけ、染井吉野とエドヒガンとの交雑を行った。これにより得られた実生を育成し、発芽後に生育不全と健全な実生において、次世代シーケンサーを用いた発現RNAの網羅的解析(RNA-Seq)を行う。この結果から、詳細マッピングによって決定した候補遺伝子の正しさを評価するとともに、それ以外に実生の生育不全と関連する候補遺伝子がないか、実生間で発現の異なる遺伝子を探索する。また実生における候補遺伝子の発現をさらに定量PCR(qPCR)でも調べることで、HIs-1遺伝子の同定を確実にする。また候補遺伝子の機能や、候補遺伝子と発現の挙動が同じ遺伝子群を明らかにすることで、生育不全の生理的なメカニズムを決定する。

Causes of Carryover

染井吉野とエドヒガンの交雑を次年度へと持ち越したため、2018年に行う予定であった交雑実生の育成とRNA抽出などにかかる費用が、当該助成金として生じた。
現在、実生の育成を進めており、当該助成金を加算した今年度予算において、健全および生育不全実生のRNA抽出および遺伝子発現解析を行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] サクラ属における組織分化の制御に関与するALOG gene familyの配列比較2019

    • Author(s)
      鶴田燃海・桐原奏子・向井譲
    • Organizer
      130回日本森林学会大会(2019年3月:新潟)
  • [Presentation] サクラ属における雑種実生の生育不全候補遺伝子の発現特性と塩基配列の変異2019

    • Author(s)
      桐原奏子・向井譲・片畑伸一郎・鶴田燃海
    • Organizer
      130回日本森林学会大会(2019年3月:新潟)

URL: 

Published: 2019-12-27  

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