2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanism of quercetin derivative on anti cancer metastasis
Project/Area Number |
18K14499
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山内 恒生 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (10805427)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | quercetin / 抽出成分 / 遊走阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
Quercetinは樹木や薬用植物,食品に広く含まれている代表的なフラボノイドの一種であり,多くの生物活性が報告されている。その中でもquercetinは様々な癌細胞に対して転移の原因となる遊走と浸潤を阻害することが知られている。合成したquercetin誘導体を用いて,メラノーマ細胞の転移に与える影響を調査したところ,quercetinをメチル化体とすることでquercetinよりもはるかに強力な遊走阻害活性を示すことが明らかとなった。この活性の違いが,メラノーマ細胞内のタンパク質と本化合物との相互作用の変化によるものであると推測した。そこで本研究ではmethylquercetinと結合するタンパク質の単離同定と作用様式の解明を目的とした。 Methylquercetinと結合するメラノーマ細胞内のタンパク質を単離するため、プルダウン法を用いた。プルダウン法に使用するフラボノイドプローブの合成を試みた。ビーズはアミノ基と特異的に結合するものを選択し、quercetin誘導体に位置選択的にエチルアミノ基の導入を試みた。Borax保護などを用いて、位置選択的導入に成功し、5種のフラボノイドプローブを合成した。この合成プローブを用いてプルダウンアッセイを行ったところ、導入するビーズの位置により得られるタンパク質が大きく異なることを明らかにした。特に3位にビーズを導入したフラボノイドプローブでは顕著に結合タンパク質が減少した。この結果は、3位メトキシル基がタンパク質との相互作用に重要であることを示唆し、3位メトキシル基が遊走阻害活性に重要であったことから、本活性がこれらのタンパク質との相互作用により生じていると考察した。得られたタンパク質をmascot searchにより同定した。これらのタンパク質とquercetin誘導体との作用様式は現在調査中である。
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