2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of property changes in barks controlled by humidity
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18K14501
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 加代子 京都大学, 農学研究科, 助教 (00806416)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 樹皮 / 木材 / 固体NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、サクラの樹皮がなぜ一定の含水率に達すると靭性が大幅に向上するのか、そのメカニズムを解明するため、固体NMRによる分子運動性解析を行った。 試料としてはオオヤマザクラ(Cerasus sargentii)の外樹皮のほか、対照試料としてスギの木材を使用した。これらの木材試料から木粉を調製し、調湿塩の飽和塩溶液を入れたデシケータ中に静置して目的の湿度に調湿した。固体NMR測定の結果、得られたスペクトルの形状には大きな違いはなかったが、含水率が大きくなるにつれて各ピークの波形がややシャープになることがわかった。T1C測定より、全ての成分について含水率の増加とともに緩和時間が小さくなる傾向が見られた。さらに、一定の相対湿度に達すると、サクラ樹皮のスベリンに由来するピークの緩和時間が大きく変化する点があることがわかった。一方、スギの木材については明確な変化が起こる点は観測されなかった。スベリンの大部分は脂肪族で構成されるため、含水率の影響は受けにくいと予測していたが、その予測に反してスベリン層への水への吸着が物性変化に対して重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)