2020 Fiscal Year Research-status Report
新規微生物イメージング技術を用いた未培養微生物の可視化とシングルセル解析への挑戦
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18K14514
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
山口 剛士 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 准教授 (30759832)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | click chemistry / 高感度FISH法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, hybridization chain reaction (HCR)-FISH法とclick chemistryを組み合わせた新規手法によるアナモックス細菌のhzo遺伝子を標的とした特異性評価を行った. さらに, HCR-FISH法に用いる試薬の検討やシングルセル解析を行うために微生物回収方法の検討を行った. アナモックス細菌のhzo遺伝子の特異性評価 前年度は, 非標的微生物から非特異的な蛍光が得られなかったが, 今年度行ったところ非標的微生物からも蛍光が得られた. そこで, その原因を明らかにするために, azideの有無による確認を行った. その結果, HCR法に用いる伸長起点の塩基配列が非特異的に交雑している可能性が明らかとなった. そこで現在, 伸長起点の塩基配列が非特異的に交雑しない条件を選定している段階である. 最終的には菌体内でHCR-FISH法とclick chemistryを組み合わせる検討を行う予定である. HCR-FISH法の試薬検討及び回収方法の検討 本手法の蛍光強度を増幅させるために, プローブの交雑時に用いる試薬の検討を行った. 2020年にHCR-FISH法の試薬を改良し蛍光増幅させた論文が発表された. 本実験においてもその試薬が適用できるのか確認するために, ホルムアミドの影響を調査した. その結果, 従来の試薬と同程度であったため, 昨年度に報告された試薬を用いることにした. さらに, 液中におけるHCR-FISH法のプロトコルの確立を行った. その結果, 各交雑後に遠心分離を行うことで余剰プローブを除去でき、標的微生物から蛍光が得られた. したがって, 本手法を液中で行える可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は, コロナ禍の中における実験であったため, 多くの検討を行うことができなかった. また, 昨年度はプローブの特異性を維持することができたが, 今年度になり特異性の維持ができなくなったことも計画を遅らせる要因となった. しかし, 原因の追及や液中での操作方法などを検討することができたため, 本手法を確立するために重要なプロトコルの選定はできている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, click chemistryが生じているのか確認するための実験を行う. その後, click chemistryの最適化を行い, アナモックス細菌などが生息する環境サンプルへの適用を試みる. すでに, HCR-FISH法における回収装置へ適用する回収方法の検討を行っているため, すべての操作を液中で行うことができるのか確認する. 最終的には, シングルセル解析を行うことができるのか検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
今年度は, コロナ禍で検討が少なく、計画通りの実験を行うことができなかった。そこで、次年度では、HCR-FISH法とclick chemistryを組み合わせ、微生物回収装置と組み合わせる予定である。さらに、シングルセル解析の検討も行う予定である。
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Research Products
(6 results)