2018 Fiscal Year Research-status Report
不確かな情報による買い控え行動がフードシステムを介し消費者自身に及ぼす影響解明
Project/Area Number |
18K14529
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山浦 紘一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任助教 (80645523)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 買い控え行動 / 市場調査 / 価格交渉力 / 不確かな情報 / フードシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インターネット上の不確かな情報による消費者の買い控え行動が、フードシステムを介し消費者自身に与える損失を明らかにすることを最終的な目的としている。具体的には、①表明選好法によりインターネット上の「不確かな情報」による消費者の買い控え行動の起こりやすさ(買い控え実行度)を調査し、②買い控え行動がフードシステムに及ぼす影響を明らかにし、③顕示選好法を用いて“買い控え実行度”によるフードシステムの変化が消費者効用に与える影響を検証する。 研究一年目となる平成30年度は、不確かな情報による消費者の買い控え行動(買い控え実行度)の調査の準備を行った。まず、インターネット上の不確かな情報や偽ニュースだけでなく、東日本大震災以降の農作物生産地の実態把握のため、上空からの映像による農地実態の調査を実施した。ここでは、どの程度「汚染土」が農地付近に存在するかなどを調査することで、インターネット上の情報の確度を確認した。これはアンケート調査票設計の際、不確かな情報の確度を確認するための重要な調査である。次に、表明選好法によりインターネット上の「不確かな情報」による消費者の買い控え行動の起こりやすさ(買い控え実行度)を調べるため、先行研究のない「買い控え実行度」を表明選考法で把握するための調査票の設計を実施した。ここで設計した「買い控え実行度を解明できる調査票」を用い、平成31年度(令和元年度)に消費者へのアンケート調査を実施する。 また、研究1年目はより精度の高い調査票設計に従事しアンケート調査を実施しなかったが、フードシステムにおける買い控え行動が価格交渉力へ及ぼす影響の解明のための、新たな価格交渉推計式の開発に着手した。これにより平成31年度(令和元年度)に実施・算出するアンケート調査による買い控え実行度を価格交渉推計式に反映させることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精度の高い調査票の設計準備にかなりの時間を費やしたため、初年度にアンケート調査を実施できなかった。しかし、新たな価格交渉力推計式の開発に着手済みであることと、研究2年目ただちにアンケート調査を実施することから、研究の遅れは軽微であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年度)前半にアンケート調査を行い、買い控え実行度を算出する。その後、当初の「研究計画・研究内容」にそって買い控え行動がフードシステムに及ぼす影響を価格交渉力推計式を用いて解明する予定である。
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Causes of Carryover |
精度の高い調査票の設計準備にかなりの時間を費やしたため、初年度にアンケート調査を実施できなかった。これにより当該年度ではなく、次年度にアンケート調査費用を繰り越したため、次年度使用額が生じた。しかし、研究計画に沿い、繰り越した金額は全てアンケート調査に使用する予定である。
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