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2020 Fiscal Year Research-status Report

ソシオテクニカルシステムアプローチを取り入れた次世代農村計画手法の開発

Research Project

Project/Area Number 18K14544
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

鬼塚 健一郎  京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (90559957)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords集落機能 / ICT / システムダイナミクス / 人口動態 / 資源管理機能 / 生活互助機能 / シミュレーションモデル / ワークショップ
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、人口減少や高齢化が著しい農村地域において、地域社会とICTの最適なバランスにより、急速に失われつつある集落機能を維持・回復させる新たな農村計画手法を確立することである。そのために、地域の人口動態やICTの技術進歩を踏まえたシミュレーションモデルを構築し、試験導入を行う。2020年度は、特に以下の4点について研究を実施した。いずれも、上述のシミュレーションモデルの構築に不可欠な内容である。
1)前年度までに実施してきた集落単位に整備された統計データを用いたシステムダイナミクスによるシミュレーションモデルのアップデートを実施した。このモデルでは、集落機能のうち特に資源管理機能に着目し、京都府下全農業集落における集落機能の将来予測を実現した。
2)1)で構築したモデルの妥当性・精度検証を行うために、対象地域を選定してアンケート調査・ヒアリング調査を行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、予定していた調査を実施することはできなかった。代替案として過去約60年間における集落機能に関する国内研究を網羅的に収集し、モデルの妥当性を検証した。
3)1)でとりあげたモデルは主に資源管理機能を対象としていたが、それと並行して、生活互助機能、特に地域の交通問題、物流の問題に着目して、自動運転車やドローン配送による生活互助機能の維持可能性について、京丹後市大宮町常吉地区における地域住民23名を対象としてヒアリング調査を実施した。新型コロナウイルスの影響により大規模な調査は実施できなかったが、住民の属性によるギャップなどを確認することができた。
4)京都府京丹波市のA集落を対象として、シナリオプランニングの手法を用いて地域の将来を検討するためのワークショップを2度実施し、ICT等を考慮した集落維持のための因果ループ図を作成できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度は、システムダイナミクスによるシミュレーションモデルのブラッシュアップを行うとともに、その妥当性の検証や精度向上のために、京都府下における複数の農業集落を選定し、全住民を対象としたアンケート調査・ヒアリング調査を実施することを予定していた。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、大規模な現地調査の実施が不可能となった。代替案として、文献調査を踏まえた精度検証や、選定した2地域において小規模なヒアリング調査・ワークショップを実施し、結果を得ることができたが、当初予定していた規模の現地調査はできていない状況である。現地調査は2021年度に実施する予定であるが、いまだに実施の可否が不確実な状況であるため、さらなる代替案を検討している。

Strategy for Future Research Activity

2021年度は最終年度であり、計画していたシミュレーションモデルの完成とそれを用いた地域の将来像を踏まえて、選定した複数地域でアンケート調査やワークショップなどを行うことで、その将来像の受容可能性や地域住民の意識・意欲などを測定する予定である。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大がまだ収束していないため、2020年度に実施できなかったシミュレーションモデルの検証のための現地調査がどの規模で実現できるか、依然として不透明な状況である。大規模な調査が困難である場合は、代替案として、2020年度に実施したような小規模な調査を複数実施することで、モデルの妥当性や精度の向上を目指す予定である。
また、農村計画に関する研究者や行政職員、民間企業の職員などを招いてモデル検証・向上のためのワークショップを複数回実施することで、モデルの検証や発展を目指すことを計画している。これまでに構築していたモデルはシステムダイナミクスによるマクロ的なモデルであるが、可能であれば、エージェントベースドモデリングなどミクロ的な視点も取り入れた複合的なモデルとして発展させることも視野に入れている。

Causes of Carryover

2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、予定していた複数集落における全住民を対象としたアンケート調査やヒアリング調査を始めとする現地調査がほとんど実施できなかった。さらに、参加を予定していた国際会議も中止もしくは延期となった。以上より、旅費関連の支出がまったくできなかった。また、上述の調査に付随して予定していた調査票の印刷・郵送などの経費に加えて、調査データの集計などに関する人件費の支出も一切実施することができなかった。以上の想定しない状況により、2020年度の支出は消耗品費のみとなった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] Actual situation of social media use by rural hamlets across Kyoto Prefecture2020

    • Author(s)
      Hatsu Tanaka, Kenichiro Onitsuka
    • Organizer
      Kyoto University International ONLINE Symposium 2020 on Education and Research in Global Environmental Studies in Asia
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Effectiveness Assessment of Scenario Planning in Japanese Rural Area: Its Roles and Impacts for Rural Sustainability in VUCA World.2020

    • Author(s)
      Yoshitaka Iwasaki, Kenichiro Onitsuka, Satoshi Hoshino
    • Organizer
      Kyoto University International ONLINE Symposium 2020 on Education and Research in Global Environmental Studies in Asia
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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