2020 Fiscal Year Annual Research Report
Decrease in heat resistance of Alicyclobacillus acidoterrestris spore by high hydrostatic pressure treatment
Project/Area Number |
18K14552
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森松 和也 愛媛大学, 農学研究科, 講師 (70746742)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高圧処理 / 高圧発芽誘導殺菌 / 芽胞 / 好熱性好酸性菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,果汁飲料における好熱性好酸性菌芽胞の高圧処理を用いた新規殺菌技術に関する基礎的な検証を目的としている.令和元年度までの研究で,100 MPaの高圧処理では芽胞懸濁液中の金属成分により高圧発芽誘導殺菌の効果が異なることを明らかにした.一方,高圧処理による発芽誘導殺菌効果は処理圧力によって異なることが知られている.そのため、200-600 MPaの高圧処理では金属成分の影響が異なる可能性がある.そこで,令和2年度では,金属成分による高圧発芽誘導殺菌への影響について,100・200・400・600 MPaの圧力間で比較した. 好熱性好酸性菌(Alicyclobacillus acidoterrestris)が形成した芽胞を対象として、中温高圧処理(60 ℃・100-600 MPa)による殺菌効果へ金属成分が与える影響について調べた。なお、本実験では菌懸濁液として塩化ナトリウム(Na)/カリウム(K)/カルシウム(Ca)/マグネシウム(Mg)溶液を用いた.100 MPaおよび200 MPaで高圧処理を行った場合,塩化Na/K溶液と比べ,塩化Ca/Mg溶液における高圧処理による殺菌効果が抑制された.一方,400 MPaで高圧処理を行った場合,高圧発芽誘導殺菌に対する塩化Ca/Mg溶液による抑制が小さくなった.さらに,600 MPaで高圧処理を行った場合,高圧発芽誘導殺菌への金属成分による影響は見られなくなった.したがって,処理圧力を上昇させることで高圧発芽誘導殺菌に対する金属成分の影響を排除することが可能であると思われる.
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