2018 Fiscal Year Annual Research Report
機能改変酵素を用いた生体内のリグニンの分解性向上技術の開発
Project/Area Number |
18K14559
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
諾恩 達古拉 (諾恩達古拉) 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 産学官連携研究員 (60792992)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リグニン / 植物細胞壁 / 糖化性 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物バイオマス資源は二酸化炭素を固定し、地球上でもっとも多く存在する再生可能資源であり、主にセルロース、ヘミセルロースとリグニンから合成される。リグニンの木材からの脱離性の向上は植物バイオマスの加工性に重要とされている。本研究はリグニン生合成経路中の中間体を触媒する触媒機能の高い変異型酵素の他、微生物が持つ種々の異なる酵素遺伝子を植物に導入し、リグニン及び植物の加工性などの変化を調べた。具体的には、(1) 異なる酵素の遺伝子をポプラ細胞へ導入し、組換え系統を選定することに成功した。(2) 選定した組換えポプラの中から導入遺伝子の発現量の高い個体を選抜・増殖し、鉢だしした。(3) 鉢だし中のポプラを用いて、各分析を行なった。以下は進行状況になる。本研究の主な目的であるDBR遺伝子はモノリグノールラジカル合成を阻害しリグニンの高分子化を抑制する。DBRの基質が野生型より多く検出された組換えポプラに導入した結果、組換えポプラの茎の色の変化を元に戻すことが観察された。リグニン含有量とリグニンモノマー組成にも少量の変化が検出され、 今後は共同研究先との連携により、2次元NMRを用いた詳細なリグニン構造分析を行い、結果を纏める予定がある。次に、ヒドロキシシンナモイルCoAヒドラターゼ・リアーゼ遺伝子をポプラに導入し、発現量の異なる三つの組換え系統を、野生型ポプラ、空ベクター導入した組換えポプラと比べた。その結果組換え個体の矮化、幹の木質の変色、リグニンの異常蓄積が観察された。現在は共同研究先との連携により2次元NMRを用いた詳細なリグニン構造分析、網羅的な代謝物分析を実施中である。更に、今後は共同研究先のJoin BioEnergy Institute(JBEI)との連携によりバイオ燃料の製造適性を評価する予定である。
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Research Products
(4 results)