2018 Fiscal Year Research-status Report
Rapid identification of candidate genes affecting egg production in Japanese indigenous chickens
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18K14564
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
後藤 達彦 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (30619391)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲノム科学 / ニワトリ / 産卵率 / 日本鶏 / 次世代シークエンサー / 集団ゲノム解析 / マッピング / 選抜の痕跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニワトリの産卵性能に関与する遺伝子群を同定するために、日本鶏品種である、ナゴヤ、ヒナイドリ、ギフジドリ、ミエジドリならびにショウコクの5品種の集団を対象に、全ゲノムリシークエンスを行い、各集団間のゲノム比較を行うことを計画している。初年度には、ナゴヤおよびヒナイドリの集団を対象に、illumina社の次世代シークエンサー(HiSeq X Ten)を用いて、個体別の全ゲノム情報の生データを、GATK、BWA、Picard toolおよびSAMtoolsを用いて、ニワトリ参照配列にマッピングした。ナゴヤ集団の解析では、総計8,563,560 SNPsの遺伝的変異が検出された。VCFtoolsを用いて、全ゲノム領域を約9万の20-KBウィンドウに分けて、産卵率および産卵性能の高/低の集団における変異パターンの違いを、Fstの指標を基にして比較した。標準化したFstであるZ-Fstの値が極めて高い領域(Z-Fst > 4)を高低の集団間において有意に異なる候補領域とした結果、産卵率の高低それぞれの集団間で有意に異なるゲノム領域が、第1-3, 5-13, 15-19, 23-25, 27染色体上に53箇所見つかった。候補領域のサイズは、平均232 KB、最小20 KB、最大2.15 MBであった。今後、ヒナイドリの情報解析に加えて、ギフジドリ、ミエジドリ、ショウコクの全ゲノムリシークエンスならびに情報解析を進めていく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年間の計画で進めており、1年目の終了時点において、全5品種のうち2品種の全ゲノム解析を終えているため、おおむね順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクト2年目の本年度には、残りの3品種の全ゲノム解析を行う計画である。ナゴヤおよびヒナイドリ(実用鶏)は、都道府県の畜産試験場において地鶏生産に用いられていることから、比較的高い産卵率を示すものの、ギフジドリ、ミエジドリおよびショウコク(在来鶏)は、保存会などの愛好家が飼育していることから、産卵率に関する選抜はとりわけなされていない。今後、実用鶏および在来鶏の両集団を対象にした集団ゲノム解析を行うことによって、日本鶏がもつ産卵性能に関与する遺伝子群を同定する計画である。
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Causes of Carryover |
1年目に全5品種のうち、2品種の全ゲノム解析を行った。2年目の本年度は、1年目の残予算と合わせて、残りの3品種の全ゲノム解析を行う計画である。
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