2020 Fiscal Year Annual Research Report
Rapid identification of candidate genes affecting egg production in Japanese indigenous chickens
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18K14564
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
後藤 達彦 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (30619391)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 集団ゲノミクス / ニワトリ / 産卵性能 / 遺伝 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国には日本の風土に適応したニワトリの遺伝資源が揃っている。ギフジドリ・ミエジドリ・ショウコク等の観賞用品種が長く維持されてきた。戦後、産卵性能の向上を目指した本格的な改良が行われ始め、実用鶏(ナゴヤ、ヒナイドリ等)が作られてきた。卵用はもちろんのこと、肉用であっても、より多くの鶏肉を生産するためにはより多くのヒヨコを生産する必要があるため、産卵性能の向上を目指した改良が50年以上継続して行われている。これらの日本鶏資源を利用した集団ゲノム解析によって、実用鶏の集団において特異的に認められる「ゲノム上の選抜の痕跡」を見つけることができれば、そこには、産卵性能に関与する遺伝子群が存在する可能性が高い。『遺伝的に多様な日本鶏が示す、鶏卵の生産性(産卵性能)に関与しているゲノム領域はどのようなものか?』の問いに答えるために、日本の在来鶏(産卵率32%程度)および実用鶏(産卵率68%程度)の集団ゲノム解析によって、日本で過去に起きた「産卵性能に関する選抜」の結果、どのようなゲノム領域が選抜されてきたのかを明らかにすることを目的に研究を行った。実用鶏2品種の集団(36個体)および観賞用鶏3品種の集団(30個体)の全ゲノムリシークエンスを行い、既報の野生原種集団(29個体)を含めた情報解析によって、3138万箇所を超える一塩基多型(SNPs)が検出された。66,848箇所の20-kb windowsを対象に、観賞用鶏集団vs実用鶏集団のFst、観賞用鶏集団vs野生原種集団のFst、実用鶏集団vs野生原種集団のFstを算出し、それぞれの集団において著しく異なるゲノム配列を有する候補領域を探索した。さらには、上記3つのFstからPBE値を算出することで、第1、2、3、4、5、6、7、8、11、19染色体上に、実用鶏集団特異的なゲノム変異を有するゲノム領域を、遺伝子レベルの高解像度にマッピングすることに成功した。
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