2019 Fiscal Year Annual Research Report
Differential physiological roles between insulin and IGF-1
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18K14568
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
實安 隆興 神戸大学, 農学研究科, 助教 (20721236)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IGF-1 / インスリン / 骨格筋 / ニワトリ |
Outline of Annual Research Achievements |
ニワトリ胚より採取した筋芽細胞に、IGF-1 siRNA(対照群にはnon-targeting control siRNA)を添加して2日間培養後、筋分化関連遺伝子(Pax7、MyoD、及びmyogenin)の遺伝子発現量を調べた。その結果、IGF-1 siRNA添加により上記3つの遺伝子発現量は有意に低い値を示した。次に、ニワトリ胚より採取した筋芽細胞を培養して形成させた筋管細胞に、同様にIGF-1 siRNAを添加して2~3日間培養後、タンパク質代謝調節に関与するAkt及びErkのリン酸化の割合を調べた。その結果、IGF-1 siRNA添加により、Akt及びErkのリン酸化の割合は有意に低い値を示した。これらのことから、骨格筋由来のIGF-1は、筋分化関連遺伝子の発現調節や、骨格筋のタンパク質代謝調節に関与していることが示唆された。 骨格筋におけるIGF-1の遺伝子発現量が異なる個体より採取した総RNAを用いて、マイクロアレイ解析を行ったが、発現量に差があった遺伝子の中にIGF-1の転写調節に関連する遺伝子は含まれていなかった。 エネルギー源が糖質、タンパク質、あるいは脂質のいずれかからなる飼料をニワトリ初生びなに経口投与し、骨格筋中のAktとS6のリン酸化の割合と、筋タンパク質分解に関与するatrogin-1の遺伝子発現量を調べた。その結果、糖質飼料の投与により、Aktのリン酸化の割合は増加したが、S6のリン酸化の割合に変化はなかった。また、atrogin-1の遺伝子発現量は減少した。一方、タンパク質飼料の投与により、S6のリン酸化の割合は増加したが、Aktのリン酸化の割合に変化はなかった。脂質飼料の投与では、いずれのリン酸化の割合も変化はなかった。これらのことから、飼料中の糖質とタンパク質が骨格筋のAkt/S6に及ぼす影響は異なる可能性が示された。
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