Fundamental study on immune checkpoint molecules expression in dogs with malignant lymphoma

2020 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18K14578
• Research Institution: Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine
• Principal Investigator: 田川 道人 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (00749468)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 免疫チェックポイント / 犬 / リンパ腫 / PD-1 / PD-L1

Outline of Annual Research Achievements

リンパ腫は犬において最も一般的な悪性腫瘍のひとつであり、新たな治療戦略が望まれる。犬B細胞性リンパ腫における免疫チェックポイント研究においてPD-1/PD-L1の高発現が報告されているが、これまで犬リンパ腫におけるPD-1/PD-L1抗体の効果については不明な点が多い。そこで本研究では、B細胞性リンパ腫と診断された犬を用いて、in vitroでのPD-1/PD-L1抗体によるリンパ球活性化への影響を調べることとした。健常犬とB細胞性リンパ腫罹患犬のヘパリン加全血を用いてPBMCを分離後、健常犬ではConA刺激、B細胞性リンパ腫罹患犬ではPBMCとリンパ節より採取した自家リンパ腫細胞との混合培養を行い、PD-1抗体またはPD-L1抗体添加による影響について細胞増殖とIL-10およびIFN-γの測定により評価した。また、一部のB細胞性リンパ腫罹患犬ではフローサイトメトリーによりPD-1およびPD-L1の発現率を測定した。健常犬では、PD-1抗体とisotype抗体の間にPBMC増殖の差は認められなかった。一方、PD-L1抗体ではPBMCの増加傾向が認められた。また、B細胞性リンパ腫罹患犬では、PD-1抗体によるPBMCの増殖は認められなかったが、PD-L1抗体添加によってPBMCの増加傾向が認められた。IL-10について、健常犬ではPD-1抗体によるIL-10産生減少がみられたが、PD-L1抗体とisotype抗体の間に差は見られなかった。B細胞性リンパ腫罹患犬ではPD-1抗体添加でIL-10産生減少していたのに対し、PD-L1抗体ではIL-10の産生が増加していた。また、IFN-γについて、健常犬では測定上限に達したため詳細は不明であるが、B細胞性リンパ腫罹患犬ではPD-L1の高発現を認めた症例でのみ、PD-1/PD-L1抗体によるIFN-γ産生亢進を認めた。