2018 Fiscal Year Research-status Report
α2アドレナリン受容体作動薬の循環抑制作用に対する血管拡張薬の有用性の検討
Project/Area Number |
18K14585
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
村端 悠介 鳥取大学, 農学部, 助教 (30734743)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | α2アドレナリン受容体作動薬 / メデトミジン / カルシウム拮抗薬 / ニカルジピン / 犬 |
Outline of Annual Research Achievements |
α2アドレナリン受容体作動薬であるメデトミジンは、鎮静、鎮痛、筋弛緩作用を目的として獣医臨床において様々な動物種で用いられているが、循環抑制作用のため健康な動物に限定して使用されている。犬におけるα2アドレナリン受容体作動薬の循環抑制作用は、血管収縮作用による全身血管抵抗の増加が主体であると考えられることから、血管拡張作用を有する薬剤を併用することにより循環抑制作用を軽減できると推定される。本研究では血管選択性の高いカルシウム拮抗薬であるニカルジピンを血管拡張薬として併用することにより、α2アドレナリン受容体作動薬の循環抑制作用を軽減し、より安全な投与法を確立することを目的としている。 本年は、α2アドレナリン受容体作動薬の循環呼吸機能、鎮静作用に対するカルシウム拮抗薬への影響を明らかにする目的で、実験犬を用いメデトミジン20 μg/kgに対し生理食塩液、ニカルジピン20、60、100 μg/kgで混合静脈内投与を行った際の循環効果の検討を行った。その結果、ニカルジピンによる血圧低下および作用時間は用量依存性であり、ニカルジピン20 μg/kgは投与初期の循環変動が最小であるものの作用時間が短時間であること、ニカルジピン100 μg/kgの同時投与では投与初期に低血圧になる可能性が示された。また鎮静効果はニカルジピン非投与群と同等あるいは短くなる傾向が認められた。心係数、全身血管抵抗係数、酸素運搬量、酸素摂取率はニカルジピン60、100 μg/kgで投与後90分までニカルジピン非投与群と比較し持続的な改善が認められた。結果から、犬においてα2アドレナリン受容体作動薬の循環抑制作用はカルシウム拮抗薬の同時投与により改善されることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年の研究により、犬におけるα2アドレナリン受容体作動薬の循環抑制作用が、血管拡張作用を有するカルシウム拮抗薬を併用することにより改善されることを明らかにした。加えて、臨床的なメデトミジンの単回投与量に対して同時投与時のニカルジピンの至適投与量を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床症例での使用を想定し、メデトミジンとニカルジピン同時投与時のミダゾラムの併用効果、α2アドレナリン受容体拮抗薬であり血管拡張作用を有するアチパメゾールの至適投与量の検討を行う。また、本年の研究により循環変動を最小にするための投与方法がニカルジピンの持続静脈内投与である可能性が示されたことから、メデトミジン、ミダゾラム、ニカルジピンの持続静脈内投与における鎮静、鎮痛、循環呼吸機能の検討を行う。
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Causes of Carryover |
物品費の端数処理で残額が生じたため、次年度の物品費で使用する。
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