2019 Fiscal Year Annual Research Report
The treatment strategy for highly therapy resistant subfractions of cancer stem cells
Project/Area Number |
18K14589
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 晋平 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (90730565)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳腺腫瘍 / 伴侶動物 / 犬 / 癌幹細胞 / 乳癌 / 比較腫瘍学 / 抗癌剤 / 表面抗原 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳腺腫瘍は、伴侶動物として家庭で飼育されている犬において最も発生の多い腫瘍の一つであり、手術による切除が唯一根治的な治療法である。しかし、その一部は浸潤・転移といった悪性の性質を示し、手術による完全切除が困難であるため、化学療法の開発が求められている。現在、犬の悪性腫瘍一般に関して分子標的治療薬を含め様々な薬剤の臨床試験が行われているものの、転移や全身状態の悪化等により切除不能な犬乳腺腫瘍の症例に対して有効な治療方法はないのが現状である。近年、癌組織にも幹細胞様の細胞集団が存在し、これが高い造腫瘍能や転移能、治療抵抗性等に関与することが、人間におけるほとんど全ての悪性腫瘍において知られている。犬乳腺腫瘍においても癌幹細胞の存在を示唆する報告が相次いでおり、癌幹細胞およびその治療抵抗性について解析を行い、新規治療法へと繋げることが重要であると考えられる。平成30年度において、犬乳腺腫瘍細胞株における無血清低接着環境下、また抗癌剤存在下での癌幹細胞マーカー発現状況、および網羅的な表面抗原解析による発現状況の検討を行い、犬乳腺腫瘍細胞株中には不均質な発現を示す表面抗原が複数存在、また抗癌剤暴露や無血清低接着培養により表現型が変化することが判明した。平成31年度には、同定した複数のマーカーに関して個々のvalidation行うとともに正常細胞における発現の解析を行った。今後、犬臨床サンプルを用いた分子の発現状況の検討、造腫瘍能等の機能的解析を検討中である。
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