2018 Fiscal Year Research-status Report
膀胱・尿管再生を目指すバイオシートを用いた自己再生型代用膀胱および代用尿管の開発
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18K14592
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| Research Institution | Osaka Prefecture University |
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Principal Investigator |
船山 麻理菜 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 客員研究員 (30713599)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 泌尿器疾患 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
伴侶動物に発生する癌のうち、膀胱腫瘍は90％以上が悪性腫瘍であり、根治手術として、腫瘍の広範囲の切除が望まれる。しかし、腫瘍の浸潤が強く膀胱全てを摘出する場合や、腫瘍により尿路の閉塞が生じている場合は、早急な尿路の確保および腫瘍の切除が必要となるが、伴侶動物用の人工膀胱・尿管は存在しない。
本研究では、伴侶動物自身の皮下で形成される膀胱・尿管用移植用組織体（バイオシート・バイオチューブ）の臨床応用を目指し、平成30年度はバイオシート・バイオチューブの組織形成評価および尿に暴露される膀胱ならびに尿管における移植評価を実施した。
ビーグル犬の皮下にて膀胱用バイオシートを形成し、一部欠損させた膀胱体部に移植した。排泄性尿路造影検査および腹部超音波検査にて、移植後84日までの観察期間を通して、移植前と同程度の膀胱の拡張を認め、バイオシートの破綻や尿路感染症、尿路結石等の合併症は認められなかった。また、組織学的評価では、バイオシートの内腔面は移行上皮により被覆されており、結合組織、毛細血管の増生および筋組織様構造を確認した。膀胱に移植したバイオシートは、自己組織に置換される足場材料として適応する可能性が考えられた。
一方、尿管用バイオチューブに関しては、尿管を模した管状構造および膀胱尿管移行部への移植を考慮した一端が拡張した管状構造のバイオチューブを考案した。各形状のバイオチューブはビーグル犬の皮下で良好に形成された。コラーゲンにて構成された管腔構造のバイオチューブをビーグル犬の尿管へ移植し、良好な手術操作性を得た。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は膀胱用バイオシートおよび尿管用バイオチューブの組織形成評価、および尿に暴露される膀胱ならびに尿管における移植評価を実施した。
膀胱用バイオシートはビーグル犬の皮下にて良好に形成され、膀胱欠損部への移植において、観察期間を通して合併症は認められなかった。組織学的評価では、膀胱用バイオシートの内腔は移行上皮により被覆されており、移植用組織体として良好な移植耐久性を有することを確認した。
尿管用バイオチューブに関しては、臨床応用を見据えた2種の形状の鋳型を作製した。ビーグル犬の皮下で形成された尿管用バイオチューブはコラーゲン組織により構成された。ビーグル犬の尿管へ移植し、各バイオチューブともに良好な手術操作性を有することを確認した。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、平成30年度に作成した2種の尿管用バイオチューブの移植において、排泄性尿路造影検査および超音波検査にて尿管としての機能性、破綻の有無を評価指標とした移植評価を実施する。また、膀胱用バイオシートに関しては、2 cmの膀胱欠損部から段階的に欠損部を拡大させ、膀胱腫瘍の症例に応用できるよう、バイオシートの移植評価を実施予定である。
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| Causes of Carryover |
今年度内の実験に要する物品費は、3月末日まで研究活動が滞りなく推進できるのに必要最小限となるように計画的に使用した。しかし、尿管用バイオチューブの移植評価に関して、国内学会（2018年3月）で発表を検討していたが、移植時期の遅れにより学会発表を実施しなかった。今年度の未使用額および次年度6月以降の予算を用いて、尿管用バイオチューブの移植結果を国内学会にて発表する予定である。
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Research Products
(2 results)
