2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18K14606
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 伸之介 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 基礎科学特別研究員 (00755994)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精子幹細胞 / 老化 / エピジェネエティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
男性は自己増殖が可能な精子幹細胞(SSCs)により何十年にもわたって精子を産出できるため、老化による影響が女性より少ないと考えられてきた。近年の研究で老化により精子数が減少し、男性不妊を引き起こす可能性が高いことを示唆しているものの、SSCsの老化メカニズムはほとんど明らかになっていない。精子形成能を維持しながら生体外で無限に継代培養可能な精子幹細胞株(GSCs)が樹立され、in vitroでSSCsの増殖・分化の解析が可能となりつつある。一方でGSCsを微小量の培地で培養すると精子形成能を消失したdGSCs(defective GSCs)が約30%の頻度で出現することも報告されている。このdGSCsは微小量培養による細胞へのストレスもしくはエピゲノム異常により精子形成能を消失したと考えられ、生体内のSSCsで生じる老化のメカニズムを模倣している可能性があるものの、精子形成能喪失の原因は明らかになっていない。そこで本研究では、正常SSCs、老化SSCs、GSCs、dGSCsを遺伝子発現パターンとエピジェネティックな修飾の観点から解析を行う予定だった。しかし、急遽留学が決定し、研究途中で事業廃止をしなくてはいけなくなってしまい、GSCsとdGSCsにおける遺伝子発現パターンとエピジェネティックな修飾解析のみしか出来なかった。これらの解析結果では予想通り、dGSCsにおいてDNAのメチル化レベルが上昇し、遺伝子発現の変化が見られた。このエピジェネティックな変化が、個体の老化とどの様に結び付けられるかが今後の課題となってくるが、dGSCsが老化SSCsのモデル細胞なりうる可能性を見出した。
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