2018 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of the motor protein coding gene Myo10 in mouse growth plate.
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18K14614
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
片岡 太郎 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 特定事業研究員 (10782419)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 成長軟骨 / Myo10 |
Outline of Annual Research Achievements |
国立遺伝学研究所よりMyo10ノックアウトマウス(Myo10-KO)受精卵を入手しマウス個体の作製を行った。これらMyo10-KOをC57BL/6J(B6J)と戻し交配し、ヘテロ接合体を有するマウスを得た。実験に用いるマウスはヘテロ接合体を持つメスマウスから生まれた個体を用いることとした。これは母親の遺伝型が仔マウスの表現型に与える影響を排除するためである。 上記マウスを作製する間にB6J後肢から成長軟骨を単離し、RT-PCR法によりマウス成長軟骨細胞におけるMyo10の発現を確認した。しかし成長軟骨におけるMyo10の発現量は、比較的発現量が多いとされる腎臓に比べて非常に少なく、成長軟骨でのタンパク質発現量も同様の傾向を示した。成長軟骨を含む脛骨および腎臓では、野生型マウス(B6J)ではMyosin10タンパク質が発現していること、Myo10-KOにおいてはMyosin10タンパク質が未発現であることをウェスタンブロッティングによって確認した。またMyo10ジーントラップマウスを用いた発現解析は、X-gal染色を実施したものの、破骨細胞による非特異的な反応と基質の軟骨への低浸透性の問題があり、b-galに対する抗体染色による発現解析を次年度に実施する。 成長軟骨の詳細な解析についてはMyo10-KOの交配・飼育に時間を要したため、予定した一部の実験は次年度へ持ち越すこととした。一方で成長軟骨においてMYO10と結合するタンパク質の探索に必要なGSTタグ-FERM融合タンパク質の合成は前倒しで完了することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Myo10-KOマウスを用いる実験は必要なマウス数の準備に時間がかかり翌年度に実験を持ち越すこととなった一方で、翌年度に計画していたプルダウンアッセイについては、計画を前倒して開始できたため、研究計画全体の進捗としてはほぼ計画通りに進展していると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
Myo10-KOマウスサンプルの準備は5月中に必要数が揃うため31年度中の早いタイミングでの解析完了の目途がたっている。また30年度末に成長軟骨の幹細胞について新しい知見が報告された。その論文中で軟骨幹細胞除去によって異なる分化段階の成長軟骨細胞数への影響が、Myo10-KOマウスの表現型と類似していたことから、この情報を基にMyo10欠損が軟骨幹細胞に影響を与えるかどうかの検討を追加する予定である。これについては抗Pthrp抗体を用いた免疫染色によって実施可能なため、特に実験計画遂行に支障なく調べることが可能である。 上記に加え、前年度から前倒しで進めていたプルダウンアッセイはまず小規模で始め問題点の洗い出しを早めに着手することで、年度内に結合相手の同定まで完了させる予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定だったキアゲン社ティシューライザーがトライアルの結果、マウスの骨組織を破砕するには不十分な破砕力であり購入を見送ったため。
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