2020 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of the motor protein coding gene Myo10 in mouse growth plate.
Project/Area Number |
18K14614
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
片岡 太郎 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 特定事業研究員 (10782419)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 骨芽細胞 / MyosinX |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は骨形成におけるMyo10の役割を明らかにすることである。Myo10-KOマウスが成長期に海綿骨低形成と長骨の伸長不全を示すことから、Myo10は破骨細胞の骨吸収抑制、または骨芽細胞の骨形成亢進に関与すると考え、個体におけるMyo10発現解析、Myo10欠損が軟骨性骨化に与える影響を調べてきた。 最終年度においては、特に骨芽細胞と破骨細胞の初代培養系の樹立、Myo10欠損が細胞分化・機能、および細胞内タンパク質局在に与える影響を調べることで、骨低形成を引き起こすメカニズムの解明を目指した。まずMyo10欠損が破骨細胞の分化に与える影響を骨芽細胞-破骨細胞共培養系によって検証したが、Myo10-KOマウス由来の破骨細胞の骨吸収能に野生型と明確な違いは見られなかった。また骨髄間質細胞を単独で骨芽細胞分化誘導したが、その骨形成能にMyo10欠損の影響は観察されなかった。 一方で骨髄間質細胞の前培養中にKOマウス由来間質細胞の増殖速度が遅い傾向がみられた。加えてMyo10を欠失した骨芽細胞内では、多くのタンパク質の局在が変化していることも明らかになったが、特に細胞接着に関わるタンパク質の細胞膜での局在量が低下しており、これが細胞増殖にも影響したと考えられる。これは生体内において骨芽細胞の供給低下を引き起こし、特に急激に骨形成が行われる成長期には骨低形成の原因になると考えられる。現在、その検証を行うため成熟骨芽細胞特異的Myo10-KOマウス(Col(I)-Cre;Myo10(flox/flox))を作製している。
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