2018 Fiscal Year Research-status Report
本態性高血圧発症への頚動脈小体由来ノルアドレナリンの役割
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18K14619
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
加藤 弘毅 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 動物実験施設, 助教 (30771026)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頚動脈小体 / VMAT / カテコールアミン / 免疫組織化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、本態性高血圧症発症に対する頚動脈小体由来ノルアドレナリンの役割を解明することを目的としている。 本年度は、モノアミンの分泌小胞内への輸送・貯蔵を行う小胞モノアミントランスポーター(VMAT)に着目し、正常血圧ラットの頚動脈小体におけるVMATアイソフォームの局在解析を免疫組織化学により実施した。VMATアイソフォームは、VMAT1とVMAT2の二種類が存在することが知られている。頚動脈小体においては、VMAT1陽性反応は多数の化学受容細胞で観察されたが、VMAT2陽性反応は少数の化学受容細胞において認められた。また、VMAT1とVMAT2の二重蛍光染色では、化学受容細胞はいずれか一つの抗体のみに陽性を示し、両抗体に陽性を示す細胞は稀であった。さらに、VMATアイソフォームとカテコールアミン合成酵素の多重染色では、VMAT1とチロシン水酸化酵素(カテコールアミン合成の律速酵素)の免疫反応性には正の相関があり、一方で、VMAT2の免疫反応性はドーパミンβ-水酸化酵素(ノルアドレナリン合成酵素)の免疫反応性と正の相関があった。これらの結果は、正常血圧状態下の頚動脈小体化学受容細胞において、VMAT1はドーパミンの小胞輸送に関与し、VMAT2はノルアドレナリンの小胞輸送に関与することを示唆している。また、VMATアイソフォーム発現の観点から化学受容細胞には異種性が存在することが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頚動脈小体のVMAT局在に関する研究成果は、現在学術雑誌に投稿準備中である。一方、これまで得られた所見は正常血圧動物のものであり、高血圧モデルを用いた解析を進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は、高血圧自然発症ラットや食塩感受性高血圧ラットを用いた組織学的・生理学的解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
物品費の残額が生じたため、次年度の物品費に使用する。
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