2018 Fiscal Year Research-status Report
コンデンシンの制御機構が明かす転写複製と染色体構築の連携
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18K14629
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
高橋 元子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 実験病理部, 研究員 (60793594)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンデンシン / 一本鎖DNA / 二本鎖DNA / 染色体凝縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
M期での高度に凝縮した染色体の構築は、細胞がゲノムを安定的に維持・継代するために不可欠な細胞内事象である。本研究では、染色体構築において主たる役割を担うコンデンシン複合体の局在制御機構を解明することを目的としている。初年度は、ヒトのコンデンシンIおよびIIの2種の複合体のDNA結合能を詳細に解析し、以下の知見を得た。
1)タグ付けしたコンデンシンサブユニットを発現したHeLa細胞株を樹立した。それを用いて、各細胞周期のコンデンシン複合体(IおよびII)の精製系を確立した。 2)一本鎖DNA、二本鎖DNAの調整系を確立した。また二本鎖DNAはスーパーコイル型、リラックス型の調整系も確立した。 3)コンデンシンIとIIでは一本鎖DNA、二本鎖DNAへの結合能が異なることが判明した。また細胞周期に応じて結合能が変化することも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した実験はほぼ予定通り実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は下記の実験を進める。 1)コンデンシンIのセントロメア局在化機構の解明 過去のChIP-seq解析からコンデンシンIはセントロメア領域に濃縮することが知られている。セントロメア領域におけるα-satellite繰り返し配列がM期においても転写が維持される点に着目し、セントロメア領域の転写により生じるDNA構造がコンデンシンIのセントロメア局在に寄与するのかを調べる。
2)複製機構に依存したコンデンシンIIのクロマチン局在化機構の解明 S期にコンデンシンIIが複製に関連したDNA構造を介してクロマチン上に局在するかを調べる。複製されたDNAをEdUなどによりラベルすることが可能なので、複製反応からの経過時間の異なるラベル化されたDNAを精製することで複製フォーク近傍とそれ以外のDNA部で結合するコンデンシンIIを定量し、コンデンシンIIの局在量に違いがあるのかを解析する。
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Research Products
(5 results)