2018 Fiscal Year Research-status Report
PML bodyによる新規雄性遺伝子群の転写制御メカニズムと生物学的意義の解明
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18K14632
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
栗原 美寿々 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 特別研究員 (40763074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PML body / 核内構造体 / 遺伝子転写制御 / エピジェネティクス / 核内高次構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
核内構造体はゲノムDNAと共に核の中に収められているにも関わらず、これまでその機能はほとんど明らかとなっていない。その最大の要因として核内構造体とクロマチンの相互作用を検出する技術が限られていたことが挙げられる。核内構造体の1つであるPML bodyは核内に局在する球状の構造体で、細胞のガン化やアポトーシスなどに関与することが示唆されている。また、その構成因子には多くのクロマチン関連因子が含まれていることから、遺伝子転写制御の場としても働くと考えられている。しかし、PML bodyが具体的にどういった遺伝子と相互作用し、どのように遺伝子の発現を制御しているのかはほとんど明らかにされていない。本研究はPML bodyの近傍微小空間を生きた細胞内で特異的にラベルし、そこに含まれるクロマチンを分離精製するための新規技術「ALaP(APEX mediated Chromatin Labeling and Purification)法」を開発し、PML bodyの転写制御における役割を明らかにすることを目指した。その結果、我々はPML bodyと相互作用するクロマチン領域をゲノムワイドに同定することに世界で初めて成功した。また、相互作用するクロマチン領域を解析した結果、PML bodyが特定のクラスター化した遺伝子群の転写をまとめて制御することを見出した。さらに、PML body欠損細胞で詳細な解析をした結果、PML bodyによる遺伝子転写制御にはDNAメチル化が大きな役割を果たしていることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで核内構造体の転写への役割はほとんど明らかにされていない。その最大の要因として核内構造体とクロマチンの相互作用を検出する技術が限られていたことが挙げられる。本研究では、新たな技術を開発することで、こうした技術的な困難を打開し、核内構造体の転写制御における新たな機能を見出すことに成功した。現在まで、研究は期待通り進展しており、核内構造体による遺伝子転写制御の研究をより発展させることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によってPML bodyが転写を制御する遺伝子領域が見出されたことから、今後はPML bodyによる転写制御の分子メカニズムに焦点を当て研究を行う。具体的には、PML bodyがいかにして特定の遺伝子領域を認識し、相互作用するのかを明らかにする。また、PML body構成因子の中で転写制御に関与しているものを見出すことで、PML bodyの転写制御を体系的に理解することを目指す。
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