2019 Fiscal Year Research-status Report
Structural basis of G-quadruplex recognition by TLS protein which lead to telomere lengthening
Project/Area Number |
18K14636
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 敬子 京都大学, エネルギー理工学研究所, 研究員 (00707474)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | NMR / 四重鎖核酸 / 核酸結合蛋白質 / 天然変性蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
テロメアDNAとその転写産物であるノンコーディングRNA (TERRA)はいずれもグアニンに富む配列を持ち、グアニン四重鎖構造を形成可能である。Translocated in liposarcoma(TLS)蛋白質は、テロメアDNAとTERRAの四重鎖をそれぞれ認識し、二者複合体ないし三者複合体を形成する。この複合体はテロメア上にヒストン修飾酵素をリクルートし、相同組換えによるテロメア伸長を抑制する働きがあると考えられている。四重鎖核酸との結合を担うのは、TLSのC端ドメイン(RGG3)にあるPhe残基とTyr残基の周囲配列である。そこで、Phe残基やTyr残基を含むRGG3の部分配列ペプチドを使用してテロメアDNAやTERRAとの相互作用解析をNMR法によって進めている。 2019年度は、2018年度に選別したRGG3の部分配列ペプチドを使用して、引き続き四重鎖核酸との相互作用解析を行った。これまでに、四重鎖中心部のグアニン残基についてはRGG3との相互作用に関わる残基を同定済みであった。2019年度の解析によって四重鎖の外側に張り出したループに位置する残基についても部分配列ペプチドとの相互作用位置に関する知見を得ることに成功した。一方で、テロメアDNAやTERRAのようなノンコーディング核酸の結合によって、TLSの構造がN端とC端が近接する閉じた構造から、N端とC端が離れた開いた構造へと大きく変化することをFRET法によって明らかにした。核酸の結合によるTLSの構造変化は、N端へのヒストン修飾酵素の結合を可能にし、結果として酵素のリクルートによるテロメア伸長抑制につながると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度はテロメアDNAやTERRAの四重鎖とRGG3部分配列ペプチドの相互作用解析に加えて、これらの四重鎖の結合がTLSにもたらす構造変化の解析を行った。そのため、四重鎖核酸とペプチドの複合体構造を完全に明らかにするには至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は2019年度に引き続き、RGG3の部分配列ペプチドについて、四重鎖核酸との複合体の解析を行う。必要に応じて各分子に安定同位体標識を施し、多次元NMR法によって構造情報を得る。
|
Causes of Carryover |
2019年度は安定同位体標識を施した複合体による詳細な構造解析に至らなかったため、次年度使用額が生じた。2020年度に予定しているペプチドと四重鎖核酸の相互作用解析の際に、各分子の安定同位体標識が必要となる可能性がある。次年度使用額は安定同位体標識を含めた試料調製に用いる試薬一般の購入に使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
-
[Journal Article] Versatility of RNA-Binding Proteins in Living Cells2019
Author(s)
Kurokawa, R., Takeuchim, A., Shiina, N., Katahira, M., Yamashita, T., Matsuno Y., Hitachi, K., Ishigaki, S., Hamad, N., Yoneda, R., Ueda, N., Iida, K., Hosokawa, M., Hagiwara, M., Iida, M., Mashima, T., Yamaoki, Y., So, M., Nagata, T., Sobue, G., Kondo, K., Watanabe, H., Uchihashi, T.
-
Journal Title
Biomedical Sciences
Volume: 5
Pages: 7-13
DOI
Open Access
-