2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of autonomously oscillating phosphorylation in the mammalian circadian clock
Project/Area Number |
18K14670
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
篠原 雄太 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 特別研究員 (10755193)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 哺乳類概日時計 / 温度補償性 / caein kinase 1 / リン酸化 / 脱リン酸化 / 蛋白質間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では哺乳類概日時計に起因する自律的なリン酸化振動子を試験管内に再構築することを目的としている。 【1. リン酸化・脱リン酸化活性を制御するペプチドの探索】時計タンパク質(PER1/2,CRY1/2)由来のリン酸化ペプチド(350種類)の化学合成を行い、CKIのリン酸化及び脱リン酸化活性を制御するペプチドの探索を行った。その結果、一部の時計タンパク質由来の断片領域がCKIの酵素活性をアロステリックに制御できることを見出した。さらにリン酸化ペプチドに依存した酵素活性制御を可能としている。アロステリック機構を解析していくと、リン酸化ペプチドが相互作用するCKIのアミノ酸残基を同定することに成功している。 【2. ミニマルなリン酸化自律振動子の再構成】1.で見出した断片ペプチドを用いて、試験管内で自律的なリン酸化振動が起こるかを検討した。基質ペプチド、時計タンパク質由来ペプチドやATP等の量を検討して予定通り進行している。長時間のリン酸化反応をさせることで、リン酸化と脱リン酸化の振動が見えつつある。このリン酸化振動子が人工的な現象ではなく、概日時計システムに内在されているかを確認するため、時計タンパク質において検討する必要がある。時計タンパク質は大腸菌で精製することが困難であるため、バキュロウイルスと昆虫細胞を用いたタンパク質発現系を立ち上げた。CRY1/2を昆虫細胞より精製し、質量分析を用いて、CKIの酵素活性との相互作用を評価すると酵素活性を制御していることがわかった。
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