2019 Fiscal Year Annual Research Report
A method for identifying the mitoribosome interactome
Project/Area Number |
18K14674
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今見 考志 京都大学, 薬学研究科, 特定研究員 (30528344)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プロテオミクス / 翻訳 / リボソーム / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアに存在するリボソーム(以下ミトリボソーム)は、エネルギー生産に必須の呼吸鎖複合体を構成するタンパク質を翻訳することに特化している。ミトリボソームによるタンパク質合成は生命の維持に関わる本質的なプロセスであり、ミトコンドリア翻訳装置の異常は疾病にも関与している。しかし、細胞質リボソームと比較して、ミトリボソームの生合成過程や翻訳制御の詳細はわかっていない。本研究課題では、新規プロテオミクス手法の開発し、ミトリボソームの生合成と翻訳に関わる因子を系統的に同定しその全体像を明らかにすることを目的とした。
まず、ミトリボソームの結合タンパク質を系統的且つ大規模に同定するためのプロテオミクス手法の開発を行い、サブユニットと結合する既知の生合成因子(例えばMALSU1)や複合体に結合する翻訳制御因子(例えばICT1)を同定することでき、本法のコンセプトが実現可能であることがわかった。HEK293細胞を用いて、最適化条件で実験をおこなったところ、翻訳活性を有するミトリボソームに結合する数十種のタンパク質を同定した。次に、同定した結合タンパク質の翻訳への影響を定量的かつプロテオームワイドに評価するための技術開発をおこなった。ミトリボソームは13種類の膜タンパク質を翻訳することに特化している。これらのタンパク質は細胞内では低濃度で難溶性であることから、一般的なプロテオーム解析では数タンパク質しか同定できなかった。本研究では、生化学的分画法を組み合わせることで、12タンパク質の定量が可能な分析システムを確立することができた。
上述のように本研究でコアとなる技術は開発できたものの、同定したタンパク質を系統的にノックダウンして、翻訳への影響を評価する実験にまでは着手できなかった。したがって、今後やるべき実験と目的は明確なので、ミトリボソーム結合タンパク質の翻訳への影響を粛々と調べていく。
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Research Products
(8 results)