2021 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism remotely controlling Notch signaling through hemocytes
Project/Area Number |
18K14697
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山川 智子 大阪大学, 理学研究科, 助教 (20645402)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 貪食細胞 / レポーターアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究代表者の研究結果から、ショウジョウバエpecanex (pcx)遺伝子の機能を失った胚 (以下、pcx胚とする)では、貪食細胞の小胞体が肥大化することがわかった。さらに、pcx突然変異貪食細胞から予定神経上皮域におけるNotchシグナルを抑制する因子が分泌される、という仮説を支持する結果を得た。そこで本研究は、貪食細胞の除去・移植実験、pcxと遺伝学的相互作用を示す貪食細胞遺伝子の同定という、3つの実験から本仮説を証明することを目的としている。 令和3年度においては、貪食細胞が分泌する因子のNotchシグナルに対する抑制効果を確認するため、Notchシグナル活性のレポーターアッセイ系を立ち上げ、その系に貪食細胞の培養上清を添加してNotchシグナル活性が低下するかを調べることにした。ところが、胚由来の貪食細胞は十分な数を回収することが難しかったため、大量に分泌性Notchシグナル抑制因子を集める方法を考慮する必要があった。そこで、S2細胞がショウジョウバエ胚血球細胞に由来することから、pcx突然変異S2細胞を作成することで胚性貪食細胞の特徴を再現できるのではないかと考えた。CRISPR/ Cas9法を用いてpcx遺伝子に突然変異を誘発したところ、胚性貪食細胞と同様に小胞体の肥大を示した。そこで、作成したpcx突然変異S2細胞を培養してNotchシグナル活性ノレポーターアッセイへ加えたところ、野生型と比べて顕著にNotchシグナル活性を低下させる結果が得られた。これらの結果は、貪食細胞を介したNotchシグナル伝達の遠隔抑制という、本研究で掲げた仮説を強く支持している。
|
Research Products
(3 results)