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2018 Fiscal Year Research-status Report

上皮極性形成システムの包括的理解を目指した網羅的RNAiスクリーニング解析

Research Project

Project/Area Number 18K14699
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

本田 尚三  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (50778206)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords上皮細胞 / 上皮極性 / RNAiスクリーニング / ZO-1
Outline of Annual Research Achievements

体を覆い生体内と外環境とを隔てる上皮細胞は、生体内の恒常性を維持するために、外に面するアピカル側と内に面するバソラテラル側でタンパクの分布や機能が異なる極性を持っている。この生命維持に必須の上皮極性形成の分子機構は、いくつかの関連分子が同定されているものの、包括的理解には至っていない。
その中で我々は、互いに接着しない上皮細胞であるR2/7において上皮極性が維持されること、タイトジャンクション構成因子の一つであるZO-1が細胞膜直下にリングのように局在し、既知極性因子のノックダウンによって形態が変化することを見出した。そこで我々は、R2/7のZO-1の形態を指標にした独自の上皮極性因子のRNAiスクリーニング法を開発した。siRNAライブラリを用いて18,152遺伝子に対してノックダウンを行い解析したところ、アピカル関連因子が2,157遺伝子、バソラテラル関連因子が989遺伝子抽出された。その中からR2/7細胞と上皮組織において発現している遺伝子のみを抽出したところ、アピカル関連で851遺伝子、バソラテラル関連で298遺伝子となった。これらの候補遺伝子の中には、既知の極性因子が含まれおり、さらにアノテーションデータベースのDAVIDで解析したところ、上皮極性や細胞間接着の遺伝子が有意に濃縮されていた。このことから、本スクリーニングの妥当性が示された。
候補遺伝子の中から、遺伝子の機能やタンパク質の構造から37遺伝子を選択し、異なる2種のsiRNAによって当該遺伝子を再度ノックダウンして再現性を確認する2ndスクリーニングを実行した。その結果、3つの遺伝子で再現性が確認され、それらは極性因子として報告のない新規のものであった。
よって、本研究は新規上皮極性関連因子の同定が期待できるものであり、上皮極性形成の包括的理解へとつながるものと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

siRNAライブラリとハイコンテントイメージアナライザーを用いて独自の上皮極性因子のRNAiスクリーニングを実行した。感度、正確性ともに妥当性のあるアルゴリズムを構築後、候補遺伝子を抽出した。さらに、R2/7細胞と上皮組織の遺伝子発現情報から候補遺伝子を絞り込みアノテーション解析をしたところ、極性関連因子や細胞間接着関連因子の有意な濃縮が見られ、本スクリーニングの妥当性が示された。候補遺伝子の中から、タンパク質の機能やドメイン構造などの情報から37遺伝子を選択して、異なる2種のsiRNAでノックダウンして再現性を確認したところ、3遺伝子で再現性が確認された。今後、生化学的解析などを含めた詳細な解析を進めていく候補遺伝子を見出しており、研究は概ね順調に進んでいると言える。

Strategy for Future Research Activity

見出した3つの候補遺伝子に対して、以下のような生化学解析、細胞生物学的解析、分子生物学的解析を進めていく。1) R2/7細胞に当該遺伝子のタグ付きタンパク質を発現させて、免疫染色によってその局在を解析する。2)タグ付きタンパク質の安定発現株を樹立し、免疫沈降後、質量分析によるプロテオーム解析を行い、当該タンパク質と相互作用する分子を解析する。3) CRISPR-Cas9によって当該遺伝子のノックアウト細胞を作製し. 発現マイクロアレイによって遺伝子発現の変化を網羅的に解析する。4) バイオインフォマティクス解析によって関連パスウエイなどを予想し、さらなる生化学的解析などを行うことで新規上皮極性関連分子の機能を明らかにする。5) 当該遺伝子のノックアウトマウスを作製し、上皮組織における表現型を解析する。

Causes of Carryover

3月に納品になり支払いが完了していないため。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 2018

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 上皮極性因子のゲノムワイドRNAiスクリーニングによって見出された新規候補遺伝子の解析2019

    • Author(s)
      本田尚三、名黒功、米村重信
    • Organizer
      第4回メカノバイオロジー学会学術大会
  • [Presentation] Development of the RNAi screening system for apicobasal polarity factors2018

    • Author(s)
      本田尚三、名黒功、米村重信
    • Organizer
      the 2018 Joint Annual Meeting of JSDB and JSCB

URL: 

Published: 2019-12-27  

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