2019 Fiscal Year Research-status Report
新たな分裂制御機構である収縮環における収縮「速度」制御の機能解析
Project/Area Number |
18K14703
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
兵頭 寿典 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40710645)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
全ての細胞は増えるために分裂を行う。これはがん細胞も同じである。つまり分裂を完全に制御できれば、人類はがんを克服できる可能性がある。しかし分裂の制御機構はまだ不明な点が多く、最終目標である分裂の完全制御のためには、より詳細な細胞分裂機構の解明が必要になっている。 申請者は、細胞分裂に関与する新規タンパク質を同定するため、siRNAを用いてスクリーニングを行いLeucine Zipper Protein 1 (LUZP1)と呼ばれる機能未知のタンパク質に着目した。これまでの研究から申請者はLUZP1が間期にはアクチン上に、細胞分裂期には中心体、動原体、セントラルスピンドル、ミッドボディなど、細胞分裂に重要な複数の構造体に局在することを見出している。また非常に興味深いことにLUZP1を抑制すると収縮環の収縮速度が速くなることも明らかにしている。 2019年度、申請者はLUZP1の生化学的解析を行うため、LUZP1のタンパク質精製を試みた。しかし、大腸菌やバキュロウイルスを用いたタンパク質の大量精製系ではLUZP1タンパク質は不溶性になってしまい精製できなかった。そこで計画を変更し、in vitro translationシステムによるLUZP1タンパク質の精製を試みた。その結果10ng程度のLUZP1タンパク質の精製に成功した。今後、精製したタンパク質でKinase assayを行うことで、LUZP1が結合相手のキナーゼ活性を制御するかを解析する予定である。またそれ以外にも、LUZP1がアクチンと直接結合するか、アクチン繊維の束化を誘導するかなど、様々なLUZP1機能を明らかにしていく予定である。以上のデータをまとめて2020年度中にLUZP1の機能を論文として報告するつもりである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LUZP1タンパク質は不溶性になりやすく、タンパク質の大量精製が困難なことが明らかになった。そこでLUZP1タンパク質が少量でも解析できる実験に変更する必要が生じた。計画を変更する必要が生じたが、多少修正する程度でおおむね計画通りに進行しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度に研究計画を少し改変する必要が生じてしまったが、計画の大幅な変更は必要ないと考えられる。当初の予定通り、今年度中の論文投稿を目指す。
|
Causes of Carryover |
タンパク質の精製方法を変更する必要があり、精製タンパク質を使用する実験が次年度に持ち越しになった。そのため精製タンパク質を使用する実験費用が次年度に持ち越しになった。それ以外の実験はおおむね計画通りに進んでいる。
|
Remarks |
申請者は現在2つのプロジェクトを行っており、本webページは両方の業績報告が記載されている。
|
Research Products
(8 results)