2018 Fiscal Year Research-status Report
FIB-SEMを用いた受精卵内における精子ミトコンドリア排除機構の形態学的解明
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18K14704
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
尾上 健太 久留米大学, 医学部, 研究員 (70807271)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 電子顕微鏡 / CLEM |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアは母系遺伝することが知られているが、哺乳動物において精子ミトコンドリアが積極的な排除を受けるのか否かという議論が現在も続いている。受精卵内に侵入した精子由来ミトコンドリアがどのように消失するのかを超微形態学的側面から明らかにするのを目的とし、本年度は卵細胞の“光‐電子相関顕微鏡(CLEM)法”とFIB-SEMトモグラフィー法の条件検討とともに、オートファゴソーム膜の標識法の検討を行った。 卵巣より回収した未受精卵を実体顕微鏡下で1個ずつ区別し、アガロースゲルに包埋後、個別に電子顕微鏡用試料作成を行った。直径100μm以上の卵細胞をFIB-SEM観察を行うため20μm厚の切片を作成した。ダイヤモンドナイフを加温し、切片が刃を滑りやすくする処理を施すことで、比較的滑らかな表面の切片を連続して得ることができた。得られた切片をFIB-SEMを用いて連続切削像を取得した。より簡便に試料作成する条件、FIB-SEM観察により最適な切片の厚さをさらに検討したい。 オートファジーを電子顕微鏡下で可視化するために、オートファゴソーム形成因子であるLC3にAPEXをタグ付けした発現ベクターを構築し、培養細胞へ過剰発現させた。APEXとDABの反応産物が隔離膜様の構造付近に観察されたものの、膜上から細胞質へ拡散しており期待したほどの標識が得られなかった。隔離膜上に局在する他のオートファジー形成因子のAPEXタグタンパク質を構築・発現し、オートファジーの標識に有効な因子を検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ミトコンドリアを蛍光顕微鏡下及び電子顕微鏡下で標識できる発現ベクターの構築が完了しておらず、トランスジェニックマウスの作成に至っていない点で実験計画に遅れが生じている。しかしながら、卵細胞のCLEM及び厚切り切片のFIB-SEM観察の条件が整いつつあり、未処理の受精卵を用いて卵及び精子由来ミトコンドリアの形態を観察することは可能であることから、遅れを取り戻しつつ実験計画そのものを進めることは可能と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
早急に蛍光顕微鏡及び電子顕微鏡下で精子由来ミトコンドリアを標識するマウスの構築を進めるとともに、野生型マウスの受精卵をマイトトラッカー等でミトコンドリアを染色し、蛍光顕微鏡観察したものでもFIB-SEM観察を行う。受精卵の試料作成における条件の改良、FIB-SEM観察に最適な切片厚の検討等を通して、受精卵内の精子ミトコンドリアの超微形態の解析を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)FIB-SEMの使用頻度が計画していたよりも低く、使用に係る消耗品等に支出しなかったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画)当該年度と同様、消耗品や試薬等の購入を予定している。また、本研究に関する学会等の出張を予定している。
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