2018 Fiscal Year Research-status Report
マイトファジーにおけるParkinの基質選択性とオルガネラ間膜蛋白質輸送の解析
Project/Area Number |
18K14708
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
小谷野 史香 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主任研究員 (50747681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / ユビキチン / Parkin / PINK1 / 蛋白質分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
(A) Parkinの基質選択性とミトコンドリア局在型E3の寄与 Parkinの基質として非常に多くの蛋白質が報告されてきたが、それらの共通したモチーフはみられず、Parkinが厳格な基質特異性を有するかどうか明らかではなかった。そこで、細胞内には存在しない外来蛋白質(GFP, MBP)をミトコンドリアに局在化させたうえで、Parkinが基質として認識するかどうか検討した。その結果、ミトコンドリアの膜電位低下依存的に、外来蛋白質がParkinによってユビキチン化されることがわかった。したがって、「Parkinはミトコンドリア外膜に存在する、表面にリジンを露出した蛋白質をユビキチン化基質として認識し、基質選択性は限りなく低い」ことが示唆された。また、複数のミトコンドリア局在型E3のうち、MITOLを欠損した場合に、ミトコンドリア膜電位低下初期におけるParkin動員が遅延することがわかった。したがって、「MITOLがParkin介在性選択的ミトコンドリア分解の開始を制御している」可能性が示唆された。 (B) マイトファジーにおけるミトコンドリア蛋白質の異所局在性 ミトコンドリアに局在する蛋白質Aがペルオキシソームに移行することを見出したので、そのメカニズムに迫るため、多面的に解析を行った。変異体解析やマススぺクロトメトリー解析を通じて、ミトコンドリアの膜電位が低下したときに、Parkinによってユビキチン化されるリジン残基を同定した。同定した蛋白質Aのユビキチン化部位を変異させると、ペルオキシソームへの移行が阻害されることから、「Parkinによるユビキチン化は蛋白質Aの移行に必要である」ことが示唆された。蛋白質Aがユビキチン化されると、VCP/p97によって認識されて膜から引き抜かれたあとに、ペルオキシソームに輸送されることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実績の概要に記載した(A)の課題に関しては、論文査読後に再投稿を行った。また、(B)の課題についても、論文を投稿し、under revisionの最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(B)の課題について、詳細な分子メカニズム及び生理的意義を明らかにするために解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
平成31年度に2報の論文が掲載される見込みであるので、論文掲載料として使用するため翌年度分に基金の一部を繰り越すこととした。
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Research Products
(3 results)