2018 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of cell polarity by interactions between Wnt and PCP factors.
Project/Area Number |
18K14720
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
三井 優輔 基礎生物学研究所, 分子発生学研究部門, 助教 (70634129)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 平面細胞極性 / PCP / Wnt / Xenopus |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画に従って、Wnt11により平面細胞極性が揃えられる局面における、Wnt11蛋白質とPrickle3(Pk3)蛋白質の局在を同時に可視化するため、Wnt11-EGFPとmRuby2-Pk3を作成した。これらをXenopus胚のアニマルキャップ領域に発現させたところ、mRuby2-Pk3がWnt11発現細胞から遠位側の細胞辺に偏った分布を示し、そのような細胞辺上ではWnt11-EGFPの集積が認められた。すなわち、Wnt11-EGFPも極性を持った分布を示した。さらにWnt11により、平面細胞極性が揃っていく際には、Wnt11の長距離の濃度勾配ではなく細胞間のリレー的な作用があるのではないかと考え、これを直接的に検証するために、Wnt11発現細胞と、GFP-Pk3発現細胞の中間領域でドミナントネガティブ型のDishevelledを発現させることで、細胞自律的に中間領域の細胞の極性化を防ぐ実験を行なった結果、Wnt11発現細胞から見て、遠位側の細胞では平面細胞極性が失われた。つまり平面細胞極性が揃っていく際のリレー的な作用の存在が示唆された。これらはこれまでに予想していた、「Wnt11とコアPCP因子の局所的かつ相方向的な相互作用により、平面細胞極性が確立される」という作業仮説を支持する結果だった。ここで「如何にしてWnt11-EGFPがmRuby2-Pk3と共局在を示すのか?」は重要な問題である。何故ならば、Pk3は細胞内の蛋白質であり、Wnt11と直接結合する可能性は考えにくいからである。そこで、Wnt11と直接結合しうる足場分子の候補を探索したところ、Wnt蛋白質の受容体であるとともに、コアPCP因子の一つであるFz7がWnt11-EGFPおよびmRuby2-Pk3と共局在することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り、Wnt11および、Pk3の同時の可視化に成功し、また予想していた細胞間リレーの存在を示唆するデータを得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後Fz7の発現阻害実験等により、平面細胞極性の確立過程におけるFz7の役割について解析を進める予定である。またFz7やPk3が機能的な複合体を形成していることが予想されるが、現在のところ、どのようなトポロジーの複合体が形成されるかは、光学顕微鏡の分解能の限界もあり、不明である。そこで超解像イメージングの一つであるSTED法を用いて、複合体のトポロジーの解析を予定している。
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Research Products
(5 results)