2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K14721
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳沼 秀幸 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (10733222)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ATP / 幹細胞 / 蛍光イメージング / 代謝計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
アデノシン三リン酸(ATP)は細胞の活動に重要なエネルギー通貨である。ATPの合成・消費のバランス機構は未だに解明されていない点が多く残されている。従来のATP計測手法では細胞内ATP濃度を一細胞レベルで正確に定量計測することが困難であった。我々は細胞内ATP濃度をレシオメトリックな蛍光変化で定量計測 する単一蛍光色素型の蛍光ATPプローブ”QUEEN”を開発した。QUEENを用いて、培養細胞のATP濃度測定を行い、単一細胞で繰り返し測定を行う系を確立した。ま た、薬剤刺激によって、細胞の代謝状態を分析する手法を確立した。培養細胞を薬剤刺激した画像から単一細胞のシグナル値を自動検出し、ATP変動値を自動 で計算する解析プログラムの開発も行った。この成果により、細胞の種類ごとの代謝状態の違いが可視化できるようになった。各種培養細胞の代謝状態を比較することにより、同一の培養条件でも細胞内代謝状態は多様であることが明らかになった。こうした解析により、細胞の分化状態と代謝状態の間に相関があることが示唆される。また、恒常的にATPセンサーQUEENを発現するES細胞を培養し経時変化を観察することにより、同一の培養条件の細胞でも代謝状態に違いがあることが示唆されている。こうした細胞の長時間培養経時変化データを解析することにより、細胞内の状態変化とATP濃度の関連についても予備的な結果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なく遂行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
論文の出版に向けて、引き続き不足するデータの取得や解析を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度中に所属の移転があったため、実験を少し減らしたが、次年度で使用する予定である。
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Research Products
(3 results)