2018 Fiscal Year Research-status Report
植物の花粉管ガイダンスを司る受精因子の構造生物学的研究
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18K14727
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 英子 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (70563295)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 植物の受粉 / 構造生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
受精は有性生殖において極めて重要な生命現象であり、植物においては種子植物の受粉に見出すことができる。雄しべで形成された花粉が雌しべの柱頭に付着すると、花粉から花粉管が伸長し卵細胞を有する胚のうへと導かれる(花粉管ガイダンス)。花粉管の誘導には胚のう中に存在する助細胞が分泌するLUREペプチドが関わっており、花粉管先端に存在するLURE受容体がLUREを認識することで卵細胞に向かって伸長することができる。 本申請課題では、LURE-LURE受容体の複合体のX線結晶構造解析を研究の中核として、それらの間の相互作用解析を詳細に行うことで、花粉管ガイダンスにおける花粉管誘因因子の認識機構と結合特異性に関する構造基盤を構築することを目的とする。具体的には、シロイヌナズナのLUREとその受容体であるMIK、MDIS、PRKを対象とし、相互作用解析および個々のタンパク質の構造解析を進めるとともに、様々な組み合わせでのLURE ペプチド-LURE 受容体の複合体( MIK1/MDIS1/LURE 複合体、PRK3/PRK6/LURE複合体など)の構造を明らかにし、花粉管ガイダンスの詳細な分子機構を解明する。本年度は、MDISの発現の発現領域を検討した。また、MIK2/MDIS1/LURE複合体およびMIK2/LURE複合体の結晶の改善のために、結晶化条件の最適化と広範な結晶化スクリーニングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MIK2/MDIS1/LURE複合体およびMIK2/LURE複合体の結晶化に成功したものの、結晶の品質を構造決定可能なレベルにまで向上することができなかった。MDISの発現領域および発現系の検討を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
MIK/MDIS/LURE複合体およびMIK/LURE複合体の構造解析に向けて、精製試料を用いて結晶化条件の検討を行う。また結晶化の成功率の向上のため、MDISおよびLUREについて試料調製方法の検討を行う。さらに、これまでとは異なる発現系(Sf9や哺乳動物細胞など)を用いた発現の検討を行う。
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