2019 Fiscal Year Annual Research Report
The sutudy on the molecular mechanism of pollen tube attraction and preventing polyspermy by male and female cell communication
Project/Area Number |
18K14741
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水多 陽子 名古屋大学, 高等研究院(WPI), 特任助教 (70645142)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 植物生殖 / 花粉管 / 細胞間シグナリング / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナの生殖過程における雌雄の各組織、および細胞のカルシウムイメージングを行うことで、花粉管ガイダンスを生きたまま解析し、花粉管と胚珠が一対一で受精する分子メカニズムを明らかにすることを目的として研究を行なった。まず、野生型と雌雄変異体の受粉後のめしべを時間ごとに採取し、花粉管を染色することで、一対一受精の実態を調査した。その結果、胚珠に花粉管を何本誘引するかを決めるタイミングは、受粉後の比較的早い段階で制御されていることが示唆された。一方で、花粉管と胚珠の様子をリアルタイムで解析するためには、生きたまま両者の形態や細胞動態を観察する必要がある。よって次に、花粉管や雌性組織の細胞動態をリアルタイムで解析するため、カルシウムインジケーターであるGCaMP6を用い、野生型と変異体の雌雄各細胞を可視化する蛍光マーカーラインを作出した。作出したマーカーラインは、二光子励起顕微鏡を用いてライブイメージングを行なった。その結果、花粉管の伸長に伴い、雌性組織の蛍光強度が変化する様子が観察された。このことは、花粉管と雌性組織が相互作用することで、GCaMP6の発現自体、または細胞内カルシウムイオンの上昇が引き起こされることが示唆している。さらに、一対一受精に関与する遺伝子を探索するため、次世代シークエンサーを用いて大規模発現解析を行った。花粉管や雌性組織の遺伝子発現を比較したところ、一部の遺伝子において、変異体で有意に発現が減少しているものが複数見つかった。特に花粉管の変異体では有意に変動していた遺伝子数が限られており、影響を受けている機能は限定的であることが示唆された。
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