2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of clearing method for plant tissues
Project/Area Number |
18K14743
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
坂本 勇貴 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, 研究員 (00735483)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 透明化 / 顕微鏡技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物組織を高効率に透明化し、且つ蛍光タンパク質の蛍光を損なわない透明化技術を開発することを目的として研究を行なった。透明化技術を固定・脱色・再活性化・マウントの4つのステップに分け、蛍光タンパク質を発現するシロイヌナズナの芽生えを用いて条件検討を行った。固定のステップでは固定試薬の濃度や緩衝液成分による蛍光強度の違いを比較し、蛍光タンパク質の褪色を抑制した固定法を確立した。脱色のステップでは様々な界面活性剤や有機溶媒を用いて脱色効率の比較を行い、迅速に葉緑体の色素を溶出できる試薬を発見した。さらに、この脱色試薬が蛍光タンパク質の蛍光に影響を与えないことも明らかにした。再活性化のステップでは主に固定の過程で褪色した蛍光タンパク質を再活性化させるための方法を検討した。マウントのステップでは屈折率を均一にしつつ蛍光タンパク質を褪色させない試薬の選定を行った。これらの条件検討の結果、従来の方法と比較して2倍近くの蛍光強度を保持しつつ、迅速に透明化できる技術を開発することができた。また、透明化の完了までの時間も従来法と比較し短時間であった。本技術を用いて、シロイヌナズナだけではなく、イネの葉やゼニゴケの葉状体も透明化できることを示した。特にイネにおいては無処理では全く蛍光が検出できないほど発現量が少ない蛍光タンパク質であっても、本技術を用いることで組織内部からのシグナルを検出することができた。さらに、植物組織だけではなく動物組織の透明化にも挑戦した。マウスの脳を本技術で処理することで、従来法よりも透明度高く透明化できることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
組織透明化技術を確立することができ、当初想定していなかった動物組織への適用も可能であるという結果が得られたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本技術がどのような蛍光タンパク質、融合タンパク質に有効であるかを検討する。また、本技術と免疫染色など他のイメージング技術が併用できるかを検討する。
|
Causes of Carryover |
当初の予定よりも順調に透明化の手法が確立でき、最低限の実験で済んだため。 翌年度は本技術の普及のため、様々な植物、蛍光タンパク質への応用をめざす。そこで、テクニカルスタッフを雇用し多くの植物種、タンパク質への適用を検証したい。
|
Research Products
(19 results)