2018 Fiscal Year Research-status Report
新・光-電子相関顕微鏡法による異常形態ミトコンドリア形成過程と微細構造変化の解明
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18K14744
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
宮園 佳宏 久留米大学, 医学部, 臨床研究員 (80748674)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / Live-imaging 3D-CLEM / FIB/SEM |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度(2018年度)は、当初の研究実施計画に沿い、各試薬(脱共役剤)投与後でのミトコンドリア形態変化をLive-imaging 3D-光・電子相関顕微鏡観察法(Live-imaging 3D-CLEM)を用いて追跡し、次年度以降の研究の準備を行った。本研究では培養細胞(マウス胎児由来線維芽細胞、HeLa)に試薬ストレスを与えた直後に起こるミトコンドリア形態変化の初動を光学顕微鏡と電子顕微鏡を用いて相関的に観察する技法を使用している。ミトコンドリアの動的変化を光学顕微鏡で動画撮影し、形態変化直後のミトコンドリアを電子顕微鏡FIB/SEMで微細構造を追跡する方針である。脱共役剤の一つであるCCCP投与後に、細胞内のミトコンドリアは光学顕微鏡でリング状に観察されるが、電子顕微鏡レベルの分解能では3次元形態は赤血球状、壷状といった膜の陥入を特徴とした独特の形態に収束する。本研究で予定しているCCCP以外の各脱共役剤投与にて、各試薬反応における形態変化のデータをまとめ、得られたデータを3次元解析ソフトにて形態解析を行い、定量解析を行っていく。今回の各種データからはCCCP投与モデルとは異なる形態様式を示すミトコンドリア形態変化を確認することができた。膜陥入モデルとの違いについてはボリュームの変化やクリステ構造の評価を合わせて解析を進めていく。また、形態変化を来した後のミトコンドリアDNAの局在もどのように変化するのかについても追跡していく。得られた結果はまとまり次第、学会発表・論文化を予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に沿って、比較的予定通り進行中である。幾度か試料作製上のミス、撮影装置の故障・修理の必要性など技術的なエラーが起こり、実験の進行が滞ったこともあったが、予定していた試薬にてミトコンドリアの形態変化のデータを得ることが出来た。現在、得られたデータを3D解析ソフトにて三次元再構築中である。データ量が多いため、今後再構築には時間を要すると考えられる。次年度も更なるデータの蓄積を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、3D-CLEM観察から得られたデータの解析を引き続き行っていく。現在は試薬投与直後の急性変化に焦点を当てているが、今後は形態変化を来したミトコンドリアが時間の経過とともにどのような運命を辿るのかの慢性変化にも注目していきたい。また、形態変化を来した時のミトコンドリアDNAの局在についても観察を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)平成30年度は学会出張に関する旅費や論文投稿費を支出しなかったことにより、次年度使用額が生じた。 (使用計画)2019年実験計画に必要な試薬(電子顕微鏡試料作製に必要な消耗品や抗体等)の購入を予定している。また、本研究の成果を学会発表する場合には出張費として使用予定である。
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