2018 Fiscal Year Research-status Report
ポリジェニックモデルによる慢性腎臓病・メタボリックシンドローム関連形質ゲノム解析
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18K14757
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
ジェルベ オリビエ 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (10707988)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Regional heritability / Metabolic Syndrome / Chronic Kidney Disease / Japanese population / Heritability / Genetic correlation |
Outline of Annual Research Achievements |
日本において、慢性腎臓病(CKD)及びその発症・進展に深く関連しているメタボリックシンドローム(MS)が国民の重大な健康問題となっている中、集団レベルでの遺伝的な特徴の解明及びゲノム情報解析のための新しい手法の開発・適用が必要となっている。平成30年度は東北大学東北メディカル・メガバンク機構のゲノム情報及びCKD・MS関連形質の表現型データを活用し、被災地住民の日本人集団を中心にポリジェニックモデルによる解析を進めてきた。 具体的な研究内容・実績として、①上記の解析に必要な、東北大学東北メディカル・メガバンク機構のスーパーコンピューターに向けたゲノム情報解析用のアルゴリズム・プログラムを開発した。②該当集団のゲノム情報及び表現型データの整理・クオリティーコントロール等を実施した。③開発したプログラム(①)の実装を行うことで、CKD及びMS関連形質の遺伝率や、形質間の遺伝相関を始めとして、集団レベルでの遺伝パラメーターの推定を行い、日本人集団の遺伝的な特徴を明らかにした。④人類遺伝学分野において最大の規模を誇る国際学会に参加し研究発表を行った。また、これまでの研究実績・成果をまとめ、現在学術的論文を執筆している段階にある。⑤平成31年度の予定としている、CKD及びMS関連形質に影響を与える領域(遺伝子群)の同定に向けて、プログラムの開発を既に進めており、ポリジェニックモデルによるより細かい解析に向けた準備を行い始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主な目標は、該当形質においての集団レベルでの遺伝パラメーターの推定(平成30年度)ならびに染色体上の特定領域(遺伝子群)の同定(平成31年度)である。上記の研究活動・実績を踏まえて、所期の目標はおおよそ達成されている。 平成30年度末に研究機関の変更が生じたため、当初の計画と比べて外国人集団の解析は若干遅れてはいるものの、本研究の一番大きなポイントとなっている、特定領域の遺伝子群の効果を推定するための手法(Regional Heritability Mapping法)に必要なプログラム開発は当初の計画以上に進展しているため、全体的には順調に進んでいると判断され、「おおむね順調に進展している」を選択するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、平成31年度は、CKD及びMS関連形質に関与する染色体上の遺伝子群の同定(研究計画目標②)の達成に向けた研究を主要な活動と予定している。平成30年度に開始したプログラム開発を引き続き実施し、日本人集団及び外国人集団に適用することで集団の比較を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度の研究成果の公表(国際誌への掲載など)に必要な費用(英文校閲料、掲載料など)を確保する必要があったため、予算の一部を平成31年度に保留した。
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