2021 Fiscal Year Annual Research Report
Insight into evolution of the Orobdella gastroporal duct
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18K14780
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
中野 隆文 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50723665)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 新種 / 分子系統 / 消化管 / 卵胞 / 形態進化 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では捕食性かつ陸棲ヒル類のクガビル類が有する「胃通管」の（A）機能と，（B）生殖隔離に果たす役割の解明，そして（C）系統分類学的研究を実施し，本グループにおける多様性の形成と形態形質の進化史の統合的理解を目指した．
（A）ならびに（B）に関して，飼育下における交配実験を成功させることが出来ず，具体的な生殖隔離に果たす役割について何かしらの結論や示唆を得ることは出来なかった．しかしながら，飼育環境においてクガビル類が，チスイビル形類に見られる「フリル」の付いた卵胞を産卵することが確認された．さらに，前年度形態的側面から検討した極東ロシアにおける野外調査で得られた，同様の特徴をもつ卵胞について分子同定を行ったところ，同地より得られたOrobdella ghilaroviの卵胞であることが確認できた．今年度確定することが出来たクガビル類における卵胞形態に関する知見は，ヒル類の陸上進出や脱吸血性の視点からヒル類の進化史を推定するうえで重要な成果であると考えられる．
（C）については，前年度に引き続き，極東ロシアならびに台湾より得られたサンプルの系統分類学的研究を継続するとともに，日本国内より得られた標本について精査を進めた．前年度から準備していた筑波山系より得られた標本については，形態形質と分子系統的位置に基づく新種記載論文を国際学術誌に公表した．当該論文の発表によって，本グループの既知種数は22種となり，特に日本列島において高い種多様性を示すことが改めて示された．さらに紀伊半島より得られた大型種についても，形態観察ならびに分子系統解析を進め，新種記載に向けた準備を進めた．
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Research Products
(5 results)
