2019 Fiscal Year Research-status Report
Ecological and physiological factors driving the evolution of longevity in social aphids
Project/Area Number |
18K14786
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
植松 圭吾 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 特別研究員 (00793861)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会性昆虫 / アブラムシ / 進化 / ゴール / おばあさん効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、社会性アブラムシにおける長寿の進化、および繁殖終了後も生存し、防衛などの自己犠牲的な利他行動を行う”おばあさん効果“の進化の解明を目的とする。具体的には、宿主植物に形成した完全閉鎖ゴール内で長期間生活するという社会性アブラムシの生態に着目し、ゴール内部の環境・生活史形質・遺伝子発現などを種間・種内で比較することにより、長寿の進化をもたらした生態学的・生理学的要因について検証する。 本年度は、イスノキにゴールを作るムネアブラムシ族の社会性アブラムシで長寿が進化した要因を探るため、近縁種について、ゴール及び内部のコロニーについて調査を行った。完全閉鎖ゴール内の酸素濃度を計測した結果、ムネアブラムシ族のゴール内部は大気中よりも酸素濃度が有意に低下していた。特に、閉鎖ゴールの存続期間が長く、繁殖終了後の寿命も数ヶ月にわたるモンゼンイスアブラムシにおいては、酸素濃度も11-16%と最も低く、長寿と酸素濃度の低下がもたらす低代謝とが関連している可能性がある。 加えて、内部のアブラムシの齢構成および、生理状態の指標として体重を測定した。その結果、モンゼンイスアブラムシの有翅成虫は誕生時の約100倍、無翅成虫の30-40倍にもなり、ゴール内で生涯を終える無翅成虫への投資を可能な限り抑え、ゴール脱出後の繁殖に貢献する有翅成虫により多くの資源を分配するというコロニー全体としての生活史戦略を反映していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
完全閉鎖ゴール内部が低酸素濃度であること・また種間で酸素濃度・繁殖終了後の寿命に違いが生じていることなど、これまでにない知見が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
繁殖を終了する前の個体と繁殖終了後の老齢個体間で、代謝経路関連の遺伝子群に有意な差が生じるかを調べる。
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Causes of Carryover |
学会への出張費用については、別の費用から計上することが可能となった。また、いくつかの試薬については、前年度に研究室に存在した余剰分を使用することが可能であったため。
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