2020 Fiscal Year Research-status Report
Survey based on micro-plastic sampling and potential impacts on fishes
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18K14790
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
八木 光晴 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (90605734)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / 海洋ゴミ / 東シナ海 / 誤食 / 誤飲 / フーリエ変換赤外分光 / FT-IR / 環境問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①年間を通したマイクロプラスチックの浮遊密度、②魚類のプラスチック誤食メカニズムの一端を明らかにした。そして、③それら一連の研究成果の学会発表を精力的に実施した。また、③の一部の内容について④国際学会誌へ投稿をした。以下に、①から④の項目ごとに詳細を述べる。 ①は、九州西岸沖の長崎半島から五島列島間の約40kmのライン上の定点を9つ設定して、2019年から2020年のかけて計54回、ニューストンネットサンプリングを実施した。その結果、計6131個のマイクロプラスチックを回収した。マイクロプラスチックの平均密度は、0.49±0.92個であり、地点間では差がなかったが月間で統計的に有意な差があった。密度は、最も多い地点と少ない地点では、月の平均で50倍、地点では550倍もの差があった。すなわち、マイクロプラスチックの密度を評価する際には、長期的な複数のサンプリング地点を設定することが重要であることを示唆するものであった。 ②は、マイクロプラスチックが野外環境に曝露されるとその表面にバイオフィルムが付着することに注目して、この生物過程が魚類のマイクロプラスチックの誤食行動を誘引する、という仮説の検証を行った。その結果、野外環境に曝露された期間の増加にともないバイオフィルムの付着量が増加した。誤食実験では、曝露期間と誤食率、そして誤食時間に有意な相関があった。以上の結果は、仮説の一部を支持するもので、プラスチックが陸域から捨てられて水域を漂う間に、魚がそれをエサと間違えてしまいやすくなることを示している。 ③は、研究成果を広く社会に還元するために5つの学会発表と雑誌への執筆依頼を受けて商業誌へ掲載を行った。 ④は、マイクロプラスチックの時空間解析の結果を纏めて、国際誌へ投稿した。現在、Required Reviews Completedのステイタスである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、計画していた項目をおおむね実施できたと評価したが、国際論文の審査に時間を要するために1年間、延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では、2020年度で終了予定の課題であったが、国際論文の審査に時間を要するために1年間、延長申請を行った。その間に出版して形にすることをゴールとしている。
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Causes of Carryover |
論文執筆、および投稿のために次年度使用額が生じた。
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[Presentation] 魚類によるマイクロプラスチック誤食:生息深度が違うと誤食率は異なるか?2021
Author(s)
八木光晴, 小林恒文, 保科草太, 眞角 聡, 合澤 格, 内田 淳, 木下 宰, 筒井英人, 山脇信博, 青島 隆, 森井康宏, 清水健一
Organizer
第68回日本生態学会大会
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