2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms underlying molting hormone signaling for sex differentiation in the water flea Daphnia
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18K14794
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
豊田 賢治 神奈川大学, 理学部, 研究員 (00757370)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脱皮ホルモン / ミジンコ / クルマエビ |
Outline of Annual Research Achievements |
ミジンコ類は雌雄の発生運命が環境要因に依存する環境依存型性決定様式を有している。これまでに、性決定期から性分化過程に及ぶ時系列トランスクリプトーム解析を通して雄性分化期特異的に脱皮ホルモン経路が活性化されることを見出した。本研究は、ミジンコの脱皮ホルモンの生合成器官を明らかにし、雌雄の胚発生過程における脱皮ホルモン動態の解析や生合成器官の発生時系列に沿ったトランスクリプトーム解析、さらには抗脱皮ホルモン薬の投与による表現型解析から、ミジンコの性分化過程における脱皮ホルモンの生理作用の全容解明を目指している。また、他の甲殻類における脱皮ホルモンの生理作用を調べることで、甲殻類における脱皮ホルモンの機能を明らかにしていきたい。
本年度は、最近発見した日照時間に応じて雌雄仔虫を産み分けるオオミジンコDaphnia magnaの2系統(LRV13.2, LRV13.5-1)について長日条件(14時間明:10時間暗)と短日条件(10時間明:14時間暗)における生涯産仔パターンとその性比を詳細に調べた。これら2系統は今後、Daphnia pulex WTN6系統と並びミジンコの環境依存型性決定のメカニズム研究に大きく貢献することが期待される。
また、ミジンコに加え、甲殻綱十脚類のクルマエビMarsupenaeus japonicusの幼生を用いて脱皮ホルモン(20-hydroxyecdysone: 20E)の影響を調べた。興味深いことに孵化直後のノープリウス幼生は20Eに対する耐性が高く、20E曝露によって生存率や変態率に影響はなかったが、ゾエア以降の幼生の生存率はミジンコなどと近いEC50値を示した。
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Research Products
(6 results)