2018 Fiscal Year Research-status Report
Influence of dental morphology on their social behaviours in two genera of mangabeys
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18K14803
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本郷 峻 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特定研究員 (70797266)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 霊長類 / 食性 / 適応 / 採食 / 果実の形質 / 社会進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、種子食特化を共通の特徴としながら、歯の形態適応が異なり、系統的にも異なる属に位置する2種のマンガベイ(ホオジロマンガベイとアジルマンガベイ)について、採食行動と社会行動を同所的に生息する環境で比較することによって、種子食適応が社会生態進化に及ぼす影響について明らかにすることを目的としている。 平成30年度前半に霊長類の種子食に関する文献を収集するとともに、方法について他の研究者らと議論し、調査計画をより詳細に練った。また、文献収集の過程で、霊長類学における自動撮影カメラの利用に関する先行研究をまとめ、「霊長類研究」誌に総説論文を1本出版した。さらに、この総説の内容について、国内学会2件で発表するとともに、研究者らと研究計画について議論を行った。 平成30年9月から平成31年2月にかけてカメルーン共和国に渡航し、ブンバ-ベック国立公園における研究許可を取得し、研究対象の2種のマンガベイの予備的行動観察、自動撮影カメラ調査、糞分析、採食果実・種子の形態計測を行った。その結果、ホオジロマンガベイは樹の非常に高い場所の食物を利用することが多いのに対し、アジルマンガベイは地上近くにとどまり低い場所の食物をよく利用することが分かりつつある。また、カメルーンの研究協力期間の研究者や学生とも研究連携を行うことなどについて合意し、今後の予定などについて調整を行った。 帰国後の平成31年3月に国内学会に参加し、予備的な成果を発表するとともに、研究推進方策について議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予想に反して、調査地の霊長類が人間に対して強い警戒を示していたため、計画していた対象群の選定と人付けが達成できなかった。以上より「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
カメルーンに長期滞在し、調査を行う。複数群を対象とした糞分析と果実・種子の形態計測から2種の採食生態の違いを詳細に明らかにし、採食行動と社会行動については自動撮影カメラによる間接的観察データから明らかにする、という方法を取り、研究目的の達成を目指す。
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Causes of Carryover |
果実や種子の硬度を計測するための高額な機器の購入について、計画では本年度に行う予定だったが、詳細な予備調査に基づいて機器を選んだ方がよいと判断し、次年度に見送ったことなどから、次年度使用額が生じた。次年度にこの機器を購入し、研究の推進をめざす。
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