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2019 Fiscal Year Research-status Report

ヒトの概日リズムと覚醒度を考慮した室内環境の検討:照明と室内配色の関係

Research Project

Project/Area Number 18K14807
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

李 相逸  北海道大学, 工学研究院, 助教 (70738880)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords光環境 / 壁の配色 / 反射光 / ヒト / 光の非視覚的作用 / 瞳孔の対光反射
Outline of Annual Research Achievements

照明の色温度(暖色:2500 K、白色:5500K、同じ照度)と壁の配色(黒、白、赤、青、緑)の組み合わせによる室内光環境の違いがヒトの生理的機能(瞳孔の対光反射)に与える影響について明らかにすることを目的に実験を実施した.室内光環境は照明の属性(明るさ、波長成分など)によってある程度決まるが、壁の有無や壁の光反射特性(配色)によって照度(lx)、放射照度(W/m2)などが顕著に異なることが確認された.一方で、各壁の条件における反射光の分光分布はLED照明の色温度によって大きく異なることに対し、照度はほとんど同様であることが確認された.白色照明条件時の縮瞳率(薄暗い光での瞳孔面積を基準)は、赤壁条件に比べて、青壁と緑壁条件で有意に大きかった(つまり、縮瞳率=赤<青≒緑)半面、暖色照明では赤壁、青壁、緑壁の条件間で縮瞳率の有意な差は見られなかった(つまり、縮瞳率=赤≒青≒緑).このことから、室内光環境に対する瞳孔の対光反射は照明だけでなく壁の配色にも影響を受けること、その影響の度合いは照明の色温度に大きく依存することがわかった.次に「白色照明+白壁」条件での瞳孔の縮瞳率を基準に比較すると、「暖色照明+白壁」で縮瞳率を約20%抑えることができるが、「暖色照明+青壁」または「暖色照明+緑壁」にすると約50%まで抑えられることが確認された.一方で、白壁条件での照度を基準に各壁条件時の照度の減少率を比較すると、青壁条件で約55%も減少するが、緑壁条件では約30%の減少に収まることが確認された.以上を踏まえると、照度を確保しながら、ヒトへの影響を抑えられる条件として「暖色照明+緑壁」が有効であることが考えられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

所属先の異動により、当初計画していた研究の遂行が困難な実験環境となった。そのため、研究計画を見直すことや実験環境および機材の準備から行う必要があり、実験開始が全体的に遅れてしまった.はじめに瞳孔の対光反射の測定が可能になったため、光源の種類(照明の波長成分の違い)、壁の配色の違い(光波長反射特性の違い)、壁と目の距離といった3つの要因が瞳孔の対光反射に及ぼす影響について明らかにするために2つの実験を実施した次第である.

Strategy for Future Research Activity

これまでの実験から得られた結果を踏まえて現在は、本研究のメイン課題(異なる壁の配色がヒトのメラトニン分泌と概日リズムの位相に及ぼす影響)を実施する.他に、壁の配色に対する反射光の違いをより厳密に測定できる実験装置を製作し、照明の属性(明るさ、波長構成など)と壁色の様々な組み合わせによる反射光の特徴について調べる.

Causes of Carryover

所属先の異動により、当初計画していた研究の遂行が困難な実験環境となったため、研究計画を見直すことや実験環境および機材の準備をするなど、研究課題の実行に遅延が生じた.そのため研究課題遂行期間を1年延長している状況である.次年度は最後の研究課題を遂行する予定であり、関連実験を実施するための予算を残しているため、次年度使用額が生じている.
次年度の予算使用計画は次の通りである.次年度の研究課題では、ヒトを対象に、1泊2日または2泊3日の寝泊り実験を計画しており、被験者の謝金および実験スタッフの実験補助金に使用する.実験に必要な物(照明、壁紙、測定用ノートPCなど)を購入する.また、実験で必要な消耗品(唾液採取用のサリベッド、唾液サンプルの保管チューブ、分注作業用の手袋、スポイトのチップ、唾液中メラトニン分析キットなど)を購入する.本研究から得られた成果を学会で発表することを予定しており(10月)、関連出張費に使用する.これまでの研究成果を論文にまとめて年度内に投稿する予定であり、論文投稿料に使用する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 2019

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 照明の色温度と壁の配色の組み合わせによる室内光環境の違いがヒトの生理的機能に及ぼす影響2020

    • Author(s)
      佐藤信吾、李相逸、桶谷康祐、李スミン、濱田靖弘
    • Organizer
      空気調和・衛生工学会北海道支部第54回学術講演会
  • [Presentation] 室内における反射光の波長成分の違いがヒトの瞳孔の光反射に及ぼす影響2019

    • Author(s)
      李相逸, 桶谷康祐
    • Organizer
      日本生理人類学会第79回大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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