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2019 Fiscal Year Research-status Report

Mechanisms of multimodal sensory integration and decision making in Drosophila higher brain centers

Research Project

Project/Area Number 18K14813
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

木矢 星歌  金沢大学, 生命理工学系, 研究協力員 (40793196)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords神経科学 / 性行動 / 初期応答遺伝子 / 即初期遺伝子
Outline of Annual Research Achievements

動物の生存や子孫繁栄には、周囲の状況に合わせた柔軟な行動の選択や維持が重要である。この際、動物の脳では様々な感覚情報を手掛かりとして行動の発現制御が行われていると考えられるが、脳の高次中枢において多種感覚情報を統合し、行動発現を制御する神経機構については不明な点が多く残されている。私は雄のショウジョウバエの性行動(雌への求愛および交尾行動)をモデルとして、このような問題の解明に取り組んできた。昨年までに、私は雄バエの脳高次中枢にあるaSP2神経が性行動のモチベーション制御に重要な役割を担うことを明らかにし、その結果を論文発表した(PNAS,2019)。
2019年度中には、aSP2神経の性行動における役割をさらに詳細に解析する為の手法の検討と、機器の準備を行った。今後はカルシウムイメージング法により、雄が雌の存在を感知した際のaSP2神経の活動をリアルタイムで解析する予定である。これまでの実験結果から、aSP2神経の活動は味覚及び嗅覚系を介した感覚入力に依存的であったことから、aSP2神経は雌由来の複数種類の感覚情報を統合する役割をもつ可能性がある。今後、雄に与える感覚情報を厳密に制御した上で詳細なaSP2神経の活動解析を行うことにより、この仮説を検証する。
また、他研究グループによる解剖学的な解析から、aSP2神経は性行動を直接制御するコマンド神経であるP1神経近傍に投射することが明らかになっている。aSP2神経を人為的に刺激した際のP1神経の活動を解析することで、aSP2からP1への機能的接続が存在するかを調べる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予定ではaSP2神経活動のイメージングを2019年度中に行う計画であったが、イメージングのための系統の作出や機器の準備に予想よりも時間を要し、2020年度に行うこととなったため。

Strategy for Future Research Activity

1 感覚入力に対するaSP2神経の応答の解析
aSP2神経が多種の感覚情報をどのように受容・統合しているかを、感覚入力に対する神経活動を調べることにより明らかにする。このため、カルシウムイメージング法を用いた解析を行う。
雄のaSP2神経にカルシウムインジケーターGCaMPを発現させ、半拘束状態の雄に雌個体や雌の性フェロモンを提示した際の神経活動を解析する。この手法では雄がスチロール球の上を歩行可能であるため、自然条件に近い状態での神経活動を記録できる。また、雄の足の動きを観察することにより、感覚刺激とaSP2神経の活動、雄が雌へ近寄る行動との関連を解析する。さらに、雄に複数の感覚刺激を同時に与えた際、aSP2神経の活動が相加的・相乗的に変化するかを解析する。
2 aSP2神経によるP1神経の活動制御の解析
次に、aSP2神経からP1神経への神経伝達がどのような伝達物質・受容体によって行われているのか、さらにaSP2神経の活動にP1神経がどう反応するのかを詳細に解析し、活動制御の実態を調べる。先行研究より、aSP2神経はグルタミン酸トランスポーター(vGlut)を発現するグルタミン酸作動性神経であることが分かっている。そこで、aSP2神経特異的にvGlutをノックダウンしてグルタミン酸神経伝達を阻害し、雄の性行動への影響を解析する。
P1神経のカルシウムイメージングにより、aSP2神経からP1神経への機能的な接続の有無を検証する。機能的な接続が存在する場合、aSP2神経が活動した際にP1神経が活動すると予想される。そこで、aSP2神経を人為的に活性化した際のP1神経の活動をCaイメージングで解析する。

Causes of Carryover

2019年度に予定していた実験の一部を2020年度に行うこととしたため、次年度使用額が生じている。2020年度には、主にカルシウムイメージング解析のための昆虫飼育・系統作出・器具購入に助成金を使用する計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 即初期遺伝子stripeを利用した神経回路の可視化と操作による、ショウジョウバエ雄の求愛行動に関わる神経基盤の解析2019

    • Author(s)
      高柳-木矢 星歌、塩谷 捺美、西内 巧、岩見 雅史、木矢 剛智
    • Organizer
      第42回日本分子生物学会年会
  • [Remarks] 昆虫の生得的行動を生み出す神経回路の新しい解析技術を確立!

    • URL

      https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/65392

URL: 

Published: 2021-01-27  

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