2020 Fiscal Year Annual Research Report
Direct manipulation of memory and learning by inducing long-term potentiation using photoactivatable CaMKII
Project/Area Number |
18K14826
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
柴田 明裕 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 特任研究員 (10707409)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | paCaMKII / LTP |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、開発した光活性化型CaMKII(photo activatable CaMKII: paCaMKII)が、生きているマウスにおいてスパインの体積増加を誘起することが出来るのかを検証した。 これまでのラットの海馬スライス切片を用いたin vitroの 研究結果により、paCaMKIIの体積増加は、光刺激したスパインへのAMPA受容体のリクルートとEPSCの増加を誘起させ、LTPを惹起させることが可能であることが示されている。そこで、実際に生きたマウスを用いて、光刺激により活性化したpaCaMKIIが、スパインの体積増加を誘起するか否かを検証した。それには、アデノウイルス随伴ベクターを用いてtdTomato-P2A-paCaMKIIをB6マウスのS1領域の2/3層の神経細胞に遺伝子導入した。スパインの時系列的な体積変化の観察とpaCaMKIIの光刺激は、2光子顕微鏡を用いて行った。この時の観察条件として、マウスが起きている状態と麻酔下の状態の2条件で行った。
その結果、起きている状態と麻酔下の状態の2条件ともに、スパインの体積変化は、光刺激後に増加を始め、2倍以上の体積増加を35分間以上維持することが明きからになった。一方、paCaMKIIを遺伝子導入していないマウスで同様の実験を行った結果、光刺激後にスパインの体積変化が全く誘起されないことが示された。従って、本研究で開発したpaCaMKIIは、in vivoでもin vitroでも特定のスパインの体積を誘起させ、LTPを誘起させることが可能であることが明らかになった。
今後は、paCaMKIIを用いてLTPと記憶学習の直接関係を調べる予定である。
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Research Products
(1 results)