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2018 Fiscal Year Research-status Report

脳室帯外神経幹細胞を誘導したマウスにおけるMCPH遺伝子の機能解析

Research Project

Project/Area Number 18K14828
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

藤田 生水  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (80615138)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
Keywords小頭症 / Aspm / 神経幹細胞 / outer radial glia / OSVZ / LGN/Gpsm2 / 細胞分裂 / アポトーシス
Outline of Annual Research Achievements

マウスにおいてoRGを人工的に生じさせるLGN変異下においてAspm変異の小頭症の表現型が重篤になる実験結果を補強するための実験を複数実施した。LGN変異と同様にマウスでoRGを人工的に誘導する方法として知られるmInscの過剰発現を利用し、条件的mInsc過剰発現マウスを作製してAspm変異の影響を調べたところ、LGN変異と同様に大量の細胞死が観察され、重篤な小頭症が引き起こされた。この結果は、oRGの誘導がAspm変異の表現型を強める原因であることを支持するものである。
これまでAspm LGN二重変異マウスにおいては、神経産生期に大量の細胞死を観察していたが、より早い発生ステージにおける二重変異マウスを解析したところ、細胞死の誘導は認められなかった。LGN変異マウスは、あらゆる発生ステージにおいて紡錘体角度を擾乱する一方、早期発生ステージにおいては神経幹細胞の形態的可塑性が強いためにoRGの誘導は起こらない(Fujita, I., et al., 未発表)。この結果からも、Aspm LGN二重変異マウスで細胞死が誘導される原因が、紡錘体制御において両者が機能的に相互作用しているからではなく、oRGの誘導現象と関連することが示唆された。
CRISPR/Cas9システムを子宮内エレクトロポレーション法で導入することにより、フェレットにおいてAspm遺伝子をノックアウトした。de novoノックイン技術により個別の幹細胞からの系譜をラベルし、クローンサイズを解析したところ、Aspmノックアウトによりクローンサイズが減少した。特に、一つのクローンあたりに含まれるニューロン数が激減した。フェレットにおける解析が有効であることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

LGN変異やmInsc過剰発現を用いたマウスにおける小頭症の人工的誘導システムの検証実験は順調に行われ、これまでの結果を支持する結果が得られた。また、その前提となるLGN変異マウスの様々な発生ステージにおける性格付けについて、論文を投稿するまでに至っている。
フェレットにおける実験は、対象としてよりふさわしい発生ステージや解析方法の再検討を行う必要があると考えられるが、ノックアウトが十分な効率で行われ、表現型が観察されることが分かったことは大きな進展であった。

Strategy for Future Research Activity

今後は、Aspm LGNノックアウトマウスおよびエレクトロポレーションを施したフェレットを用いたタイムラプス観察を重点的に行い、細胞の振る舞いを詳細に解析する。神経幹細胞特異的に微小管等を可視化するマーカーは、予備実験により選定済みである。さらに、シングルセル解析等によって、細胞死を引き起こす原因を分子・細胞レベルで明らかにする。
また、Aspm以外の小頭症原因遺伝子について、LGN変異マウスもしくはmInsc過剰発現マウスを基にして、CRISPR/Cas9の導入により二重変異マウスを作製し、Aspmと同様の表現型が観察されるか調べる。
本研究課題の開始直後、Aspm遺伝子をノックアウトしたフェレットを詳細に解析した論文(Johnson, et al., Nature, 2008)が発表された。本研究とはやや視点が異なるものの、小頭症が重篤になる原因について本研究とは結論に乖離がある。今後はそれらの検証も並行して実施する。

Causes of Carryover

当該年度においては組織学的解析を中心に行い、シングルセル解析やフェレットを用いた解析等、大きな費用を必要とする実験を次年度に重点的に実施することとしたため。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] 哺乳類の発生期大脳における神経幹細胞の形態的恒常性2018

    • Author(s)
      藤田 生水, 松崎 文雄
    • Journal Title

      細胞

      Volume: 50 Pages: 375-378

  • [Presentation] Regenerative plasticity of the epithelial structure in radial glia during the early mammalian brain development2018

    • Author(s)
      Ikumi Fujita, Atsunori Shitamukai, Fumiya Kusumoto, Shun Mase, Taeko Suetsugu, Daijiro Konno, Fumio Matsuzaki
    • Organizer
      ASCB | EMBO 2018 Meeting
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Induction of outer radial glia causes severe microcephaly in the Aspm mutant mice2018

    • Author(s)
      Ikumi Fujita, Taeko Suetsugu, Chiaki Kishida, Yuji Tsunekawa, Daijiro Konno, Akira Fujimori, Fumio Matsuzaki
    • Organizer
      22nd Biennial Meeting of the ISDN
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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