2019 Fiscal Year Research-status Report
新規三次元解析法による海馬神経ネットワーク形成におけるApc遺伝子の機能解明
Project/Area Number |
18K14843
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
尾之内 高慶 藤田医科大学, 共同利用研究設備サポートセンター, 講師 (20632954)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | APC / 海馬 / 神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Adenomatous polyposis coli (APC)は、家族性大腸腺腫症(FAP)の原因遺伝子として発見された大腸癌抑制遺伝子である。APCには、様々なタンパク質が結合する。APCは、それら結合タンパク質との相互作用を通じて、細胞の増加, 分化, 成熟, 移動, 接着, 極性形成に関与することが、培養細胞レベルの研究で明らかとなっている。APCは大腸のみならず脳にも多く発現しているが、脳におけるAPCの機 能はよく分かっていない。 本研究では、癌が発生しない変異APC(APC1638T)を発現するAPC1638Tマウスの海馬神経ネットワークを調べて、海馬神経ネットワーク 形成におけるAPCの機能を明らかにする。 2019年度は、最初に、4%パラホルムアルデヒドで固定した野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの脳組織のパラフィン切片(厚さ3μm)を作製した。そして、パラフィン切片を対象とした蛍光免疫染色を行うために、神経細胞の形態観察に用いる神経細胞マーカーMAP2抗体と、APCとAPC結合タンパク質との相互作用を調べるためのAPC抗体, PSD-95抗体, チューブリン抗体の蛍光免疫染色条件(抗原賦活条件, 抗体希釈条件)の検討を行った。検討の結果、各抗体の最適な蛍光免疫染色条件が明らかとなり、野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの海馬神経細胞の形態解析を行った。蛍光免疫染色だけの解析では、明確な野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの海馬神経細胞の形態の違いは分からなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、2019年度は、野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの海馬神経細胞の形態を、①蛍光免疫染色法、②光-電子相関顕微鏡法(蛍光免疫染色法と走査型電子顕微鏡観察法を組み合わせた方法)で、調べる予定であった。しかし、2019年度は多くの時間が、パラフィン切片を対象とした蛍光免疫染色の条件検討に使ったので、光-電子相関顕微鏡法(蛍光免疫染色法と走査型電子顕微鏡観察法を組み合わせた方法)での解析ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、2019年度に行えなかった、光-電子相関顕微鏡法(蛍光免疫染色法と走査型電子顕微鏡観察法を組み合わせた方法)を用いて、野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの海馬神経細胞の形態の違いを明らかにする。また、当初の予定には無かった、特殊染色(クリューバー・バレラ染色)した場所を走査型電子顕微鏡で観察するという光-電子相関顕微鏡法も行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、2019年度は、野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの海馬神経細胞の形態を、①蛍光免疫染色法、②光-電子相関顕微鏡法(蛍光免疫染色法と走査型電子顕微鏡観察法を組み合わせた方法)で、調べる予定であった。しかし、2019年度は多くの時間が、パラフィン切片を対象とした蛍光免疫染色の条件検討に使ったので、光-電子相関顕微鏡法(蛍光免疫染色法と走査型電子顕微鏡観察法を組み合わせた方法)での解析ができなかった。2020年度は、2019年度に行えなかった、光-電子相関顕微鏡法(蛍光免疫染色法と走査型電子顕微鏡観察法を組み合わせた方法)を用いて、野生型APCマウスとAPC1638Tマウスの海馬神経細胞の形態の違いを明らかにする。
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