2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of information integration mechanism during perceptual learning
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18K14852
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮本 愛喜子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (80737297)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知覚学習 / 体性感覚 / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの一次体性感覚野にはヒゲと物体の接触に対して応答するニューロンと自発的なヒゲの探索運動(ウィスキング)に対して応答するニューロンが存在する。ウィスキング行動は物体の位置認識に重要であると考えられていることから、ウィスキング情報と接触情報が統合されることが重要であると考えられる。しかしながら、一次体性感覚野内で生じているかどうかは明らかとなっていない。そこで、本研究課題ではヒゲ感覚を用いたGo-NoGo課題をマウスに学習させ、学習中の一次体性感覚野における情報統合過程について調べた。学習過程において2/3層興奮性ニューロンがどの程度接触またはウィスキングに応じて活動しているか、また、それらがどのように変化していくか検討するために、行動と神経活動の相関解析を行ったところ、接触に対してもウィスキングに対しても活動は増加するがそのタイミングは異なっているという結果が得られた。また、学習後半に両方のモダリティーに応答する細胞が増加したことから接触とウィスキングの情報統合を担っている細胞群が存在する可能性が示唆された。 さらにより詳細なメカニズムを検討するために同じ細胞間での変化について解析を行った。その結果、接触に関しては相関値が増減している期間に接触に対して反応から無反応に変化するパターンやその逆パターンが多く見られた。また、実際の接触と神経活動の時間的なずれの変化について検討したが決まった傾向は見られなかった。一方でウィスキングに関しては相関値の変化に応じて無反応だったニューロンが活動するようになるといった結果が得られた。また、ウィスキングとの時間的なずれについては、この新たに反応するようになったニューロン群で応答タイミングが早くなるという結果であった。以上の結果から学習中に生じる興奮性ニューロンの活動変化はモダリティーごとにメカニズムが異なる可能性が考えられる。
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