2018 Fiscal Year Research-status Report
Regulatory mechanism of Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase IV by reactive oxygen species
Project/Area Number |
18K14853
|
Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高田 剛 昭和薬科大学, 薬学部, 特任助教 (20733257)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | カルモデュリンキナーゼ / 酸化修飾 / リン酸化修飾 / 過酸化水素 / 活性酸素 / レドックスシグナル / 酸化ストレス / 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、多くの精神・神経疾患の原因の1つとして活性酸素が注目されているが、活性酸素の標的となる分子の特定と解析はまだ十分に行われていない。我々は最近、高次脳機能に重要なカルモデュリンキナーゼIV(CaMKIV)の198番目のシステイン残基が酸化修飾されることで活性が阻害されることを明らかにした。そこで本研究では、活性酸素によるCaMKIVの活性制御機構とそれによる細胞内情報伝達経路への影響を明らかにすることを目的とした。 活性酸素の1つである過酸化水素の処置濃度依存的にCaMKIVのリン酸化と活性は阻害され、その阻害は198番目のシステイン残基(Cys198)を他のアミノ酸に置換するとみられなくなることから、Cys198が活性制御に重要な酸化修飾部位であることを明らかにした。また、CaMKIVのCys198を含むペプチドの質量分析により、過酸化水素処置による分子間のジスルフィド結合が検出された。過酸化水素処置したCaMKIV過剰発現細胞においても、CaMKIVのリン酸化はCys198依存的に阻害されることを明らかにした。内在性のCaMKIV発現量が多いヒト白血病T細胞株やラット小脳顆粒神経細胞初代培養系にて、過酸化水素処置によりCaMKIVのリン酸化が阻害され、さらにCaMKIVの下流分子であるcAMP応答配列結合タンパク質(CREB)のリン酸化が阻害されることを見出した。過酸化水素が産生される条件として、小胞体ストレスを誘導したCaMKIV過剰発現細胞において、CaMKIVのリン酸化はCys198依存的に阻害されることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に沿ったCaMKIVの活性制御機構とそれによる細胞内情報伝達経路への影響についての解析を行い概ね目標とする研究成果を得ることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
目的とした研究成果が得られており、現段階において研究を遂行する上での問題はなく、研究計画の変更の必要はないと考えている。当初の目的であるカルモデュリンキナーゼの酸化修飾を誘導する条件および組織部位の解明に向けて、引き続き当初研究計画に基づいて研究を推進する。
|